【高配当】割高感が見え始めたJリートの現状を確認、買い時を探ります。

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三菱サラリーマン、日経ヴェリタス

リート積み増しました。by日経ヴェリタスさん(9月15日号)

今年は年始から高配当株に加えて主にJリートを積み増し、その堅調な推移からポートフォリオの中でも若干存在感が増してきたJリートについて、現状を確認しておきます。

今夏時点では特段の割高感がなかったJリートですが、ここに来て総じてやや割高感も見られる状況になってきました。

【高配当】Jリートの現状確認、そして買い時を探る

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①Jリートの分配利回り推移・長期金利とのスプレッド推移

以下は「一般社団法人 不動産証券化協会(ARES)」から筆者集計の以下5データの推移を確認します。

  1. Jリートの直近分配利回り
  2. Jリートの平均分配利回り
  3. 長期金利(10年国債)
  4. Jリートと長期金利の利回り差(スプレッド)
  5. Jリートと長期金利の平均スプレッド

Jリートの平均分配利回り4.26%に対し、直近2019年9月における分配利回りは3.51%と平均分配利回りを下回り、分配利回りの観点からは「やや割高感」が見られます。尚、2019年始には4.02%あったので、結構下がってきたというところですね。

一方、長期金利とJリートの利回り差(スプレッド)は、過去平均3.74%に対し、直近3.73%と平均スプレッドとほぼ同等。

長期金利とのスプレッドの観点からは特段の割安感も割高感も見られません。ただ、このスプレッドの大きさは日銀の超低金利政策に依拠している部分が大きいので、あくまで参考の参考程度というところ。

更にJリートの分配利回りは「3~6%台の範囲で推移してきた」こともおさえておきたいですね。

ここまで一旦まとめると以下の通りです。

小まとめ①
  1. Jリートの直近分配利回り vs 同平均値
    やや割高感
  2. Jリートの平均分配利回り
    → 4.28%、過去3~6%台で推移
  3. 長期金利(10年国債)
    → 低下傾向
  4. Jリートと長期金利のスプレッド vs 同平均値
    → 特になし

②JリートのNAV倍率推移

以下はJリートのNAV倍率推移です。尚、NAV倍率とは、株式におけるPBRに相当し、時価総額が純資産の何倍かを示す指標です。

NAV倍率は上図の通り、2017年から上昇中。直近2019年9月末にNAV倍率は1.23と同平均値1.12倍を明確に上抜けてきました。NAV倍率上はやや割高感が見られ始めている状況。

ここまで一旦まとめます。

小まとめ②
  1. Jリートの直近分配利回り vs 同平均値
    やや割高感
  2. JリートNAV倍率 vs 同平均値
    やや割高感

③東京都心5区における賃料と空室率の推移

下図は三鬼商事の「東京ビジネス地区(都心5区/千代田・中央・港・新宿・渋谷区)における平均賃料と平均空室率」のデータを集計したものです。

平均空室率は依然として下がり続け、賃料も更に上昇中。賃料はリーマンショック前の水準にほぼ達しかけています

2019年9月の空室率は1.64%と2019年5月に続いて過去10年間で最低の数値。東京都心のオフィスは引続き活況の模様。

平均賃料も2008年8月の22,901円の頂点に、緩やかに下落、2013年12月の16,207円を底(下落率30%)に緩やかに上昇し、68か月連続の前月比上昇と絶好調です。

ちなみに、繰り返しながら東京都心オフィスに限っては、リーマンショックの際、賃料は最大下落率は30%程度に留まり、賃料の低下は株価に比べて緩やかでした。

不動産の賃貸においては、そもそも複数年の契約期間にわたって、好不況に関わらず賃料を所有者に支払うという契約上の義務が背景にありそうですね。

④軒並み分配金利回りが低下中のJリート

2019年は年始時点がJリートの絶好の買い時でした。

下表はJAPAN REIT.COMの年始時点におけるJリート高配当順の上位15銘柄です。

2019年始、高配当だったJリート

Jリート上位15銘柄(高配当順、2019年1月18日時点)

年始時点では上位15銘柄の分配金利回りは約5~7%でした。対して直近は下表の通りです。

やや割高感のあるJリート

Jリート上位15銘柄(高配当順、2019年10月24日時点)

直近では約4%~5%と年始より大きく下落。背景には投資口価格の高騰があります。

しかもこの中の第1位いちごホテルリート(3463)及び第2位タカラレーベン不動産(3492)は不動産売却益による一時的な分配増であることから、要注意。

まとめ:Jリート絶好調なるも現時点で買いたい水準ではない

以上4項目見てきましたが、まとめますと以下通り。

まとめ
  1. Jリートの直近分配利回り vs 同平均値
    やや割高感
  2. JリートNAV倍率 vs 同平均値
    やや割高感
  3. 東京都心の賃料・空室率
    絶好調
  4. 高配当リート上位15銘柄
    分配利回り大きく低下

Jリートは2019年現時点では、最も注目しても良い値動きでした。非常に高配当ながら、投資口価格も極めて堅調。ゆえに下図の通り配当込みリターンも日経平均を圧倒しています。

2003年を1,000とした場合の配当込みリターン(出所:ARES)

高配当株を選好する投資家にとっては、やはり有力な選択肢となるのがJリートと思います。ただ、直近株価はやや割高感が見え始めており、個人的にはJリートのこれ以上の買い増し予定はありません。

また年始のように分配利回りが6%を超えるリートが複数出始めるような局面になってはじめて買い時を検討するレベルと思います。

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

Jリートはポートフォリオの配当利回り底上げにも有用な局面があります。

高配当株ポートフォリオの作り方【税引後配当利回り4%、外国株+日本株】

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公開日:2019年10月26日