絶好調で高利回りのJリートについて、オフィス状況については以下記事で述べた通りです。
今回は、以下の観点から状況を見てみましょう。
- Jリートの分配利回り
- Jリートの平均分配利回り
- 長期金利(10年国債)
- Jリートと長期金利の利回り差(スプレッド)
- Jリートと長期金利の平均スプレッド
- NAV倍率
J-REITは絶好調なるも、特段の割高感は見られず
Jリートの分配利回り推移・長期金利とのスプレッド推移
以下は一般社団法人 不動産証券化協会(ARES)から筆者集計の以下5データの推移です。
- Jリートの直近分配利回り
- Jリートの平均分配利回り
- 長期金利(10年国債)
- Jリートと長期金利の利回り差(スプレッド)
- Jリートと長期金利の平均スプレッド
Jリートの平均分配利回り4.28%に対し、直近2019年6月における分配利回りは3.86%と平均分配利回りを下回り、分配利回りの観点からは「若干の割高感」が見られます。
一方、長期金利とJ-REITの利回り差(スプレッド)は、過去平均3.74%に対し、直近4.03%と平均スプレッドを上回り、長期金利とのスプレッドの観点からは「若干の割安感」が見られます。
更にJリートの分配利回り自体は3~6%程度の範囲で推移してきたことがわかります。
- Jリートの直近分配利回り
→ やや割高感、過去3~6%で推移 - Jリートの平均分配利回り
→ 4.28% - 長期金利(10年国債)
→ 低下傾向 - Jリートと長期金利の利回り差(スプレッド)
→ やや割安感 - Jリートと長期金利の平均スプレッド
→ 3.74%
JリートのNAV倍率推移
以下はJリートのNAV倍率推移です。尚、NAV倍率とは、株式におけるPBRと同義で、時価総額が純資産の何倍かを示す指標です。
NAV倍率は上表の通り、2017年から上昇中も、直近2019年6月においては1.1倍と依然として平均NAV倍率1.12倍を微妙に下回っており、NAV倍率上は微妙ながら割安感が見られます。
東京都心のオフィス状況
こちらは別途関連記事でも述べた通り、以下は三鬼商事の東京ビジネス地区(都心5区/千代田・中央・港・新宿・渋谷区)における賃料と空室率のデータを集計したものです。
2019年5月の空室率は1.64%と過去10年間で最低の数値となっており、東京都心のオフィスは目下活況を呈しています。
平均賃料も2008年8月の22,901円の頂点に、緩やかに下落、2013年12月の16,207円を底(下落率30%)に緩やかに上昇し、64か月連続の前月比上昇と絶好調であり、Jリートの堅調さを下支えしている良好な外部環境と言えます。
まとめ
以上各種データを確認しましたが、
- Jリートの分配利回り
→ やや割高感、過去3~6%で推移 - Jリートの平均分配利回り
→ 4.28% - 長期金利(10年国債)
→ 低下傾向 - Jリートと長期金利の利回り差(スプレッド)
→ やや割安感 - Jリートと長期金利の平均スプレッド
→ 3.74% - NAV倍率
→ 微妙に割安感
ということで各指標まちまちの結果であり、あまり一方向に振れている感は指標面ではありません。
日本株に比べると、ここ数年の下落局面でも、かなりの底堅さを見せてきたJリート。私も分配利回り6%超えのJリートを一定数保有しているので、今後の動向が気になるところです。
Jリートについては逐次定点観測を続けていきたいと思います。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
以下リートに関する記事です。米国リートも魅力的な投資対象ではありますし、私も投資しています。