HISによる高配当株ユニゾホールディングスへのTOBにより、株主は大いに恩恵を享受

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ユニゾホールディングス(3258)が7月10日午後急伸し、400円(20.1%)高のストップ高で引けました。

背景には以下の通り、旅行大手HISによる保有株の大幅買い増しによるものです。

旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)は7月10日、旧日本興業銀行系の不動産会社、ユニゾホールディングス(HD)株式の保有比率を引き上げると発表した。

1株あたり3,100円で、発行済み株式の40%に相当する1,375万株を上限にTOB(株式公開買い付け)を実施する。

(出所:日本経済新聞)

HISによる高配当株ユニゾホールディングスへのTOBにより、株主は大いに恩恵を享受

ユニゾホールディングスの9日の終値は1,990円だったため、買付価格3,100円とすると56%のプレミアムを上乗せしてTOBを仕掛けることになります。

終値は1,990円ベースでPBRは見かけ上0.6倍(後述しますが実質0.2倍台)でした。しかしユニゾHDの場合、相次ぐ増資などにより一時は3,000円近くまであった株価は1,800円台まで売られていました。

一方、同社IR資料によれば、同社の不動産における含み益は2019年3月時点で2,224億円(オフィスビル1,364億円+ホテル等860億円)となり、実質PBRは0.26倍と極端な割安価格まで売られていました。

このような状態では、確かにTOBに旨味を感じる会社も出てきますし、HISも当然そこに目を付けた上でTOBを仕掛けたのでしょう。

それにしてもこのようなTOBの話に保有株が直面するといつも思うのですが、投資家やHISかユニゾHDに勤める人でもない限り、「あっそう」で終わる案件ですよね。しかし、これが投資家目線となれば大きく変わってきます。

自分が保有している株式会社にTOBが仕掛けられると、通常は「現在の市場価格である株価」に、プレミアムを上乗せして買収なり買い増しなりが行われるので、株式の市場価値である株価がその上乗せ分上昇します。

今回であればいきなり1日で20%上昇するわけです。最終的にはHISの買付価格まで上がることが予想されます。

株式を保有していないと、1日にいきなり投下資本の20%が上昇することなんてありませんが、株式を保有しているとそのような可能性が当然出てくるわけですね。

以前、以下の記事でも述べましたが、投資家という要素が加わると、労働者としての観点でしか見ていなかった事象に対して、投資家という観点が確実に1つ増えます。

関連記事:株式投資の金銭面以外における面白さ・メリット、その魅力とは。

更に、株式を保有していれば、今回のように棚から牡丹餅のような現象も起こるわけですね。(もちろん、その逆の暴落も起こり得ます)

ですから、あまり私情などを挟まずに、株式というものに対してはフラットに見ておく必要があります。

個別株でも、もちろんETFよりリスクがあります。一方で、今般のようにリターンも起こり得ます。

リスクとリターン、どちらかだけを重く見るのも時には良いかもしれませんが、やはりバランス感を持って、見る必要がありますね。

株式投資もまた、人間の性格と同じで表裏一体なわけですね。

今回のユニゾホールディングスの件では、その表の面が顔を出しました。

先日のアッヴィ【ABBV】のアラガンに対する買収では、その裏の面が顔を出しました。(既に株価はほぼ全戻し状態ですが)

表だけを見ず、裏だけを見ず、どちらも表裏一体である事象は多く、それをしっかり認識した上で、生活を送りたいですね。

Best wishes to everyone!

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公開日:2019年7月11日

コメント

  1. エイジ より:

    >同社の不動産における含み益は2019年3月時点で2,224億円(オフィスビル1,364億円+ホテル等860億円)となり、実質PERは0.26倍

    実質PBRを実質PERと打ち間違えではないでしょうか?
    おせっかいで申し訳ないです。