【配当再投資戦略】①株価上昇・配当利回り低下で売却か、②配当再投資し続けるか

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  1. 「株価上昇による配当利回りの低下を受け、株式を売却して利益確定」すべきか
    あるいは
  2. 「売却せずに配当再投資し続ける」べきか、

というご質問を頂いたので以下回答申し上げます。

「株価上昇・配当利回り低下で売却」 or 「配当再投資継続」どちらが良いか

ご質問

題名: 配当再投資戦略について

メッセージ本文:
三菱サラリーマン様

はじめまして、ぽっけと申します。

日々、ブログを拝見しており、勉強させていただいております。
豚舎に通い続け13年目となりますが、資産形成の重要性に気づき、2017より、夫婦ではじめ、投資スタイル確立に右往左往しております。

三菱サラリーマン様のブログを拝見している中で、問い合わせに応じていただけそうな記載がありましたので、以下ご回答いただけたら、大変幸いでございます。
(素人質問で恐縮です)

(質問1)
配当再投資戦略において、株価上昇に伴う配当利回り低下が発生した場合(ex.4%→2%台)、以下二つのうち、どちらが効率よく資産を増大させることが可能でしょうか?
①売却してキャピタルゲインを得て、元本+キャピタルゲインを別の高配当銘柄に投資
②利回り低下後も、給与+配当を再投資し続ける

株価上昇は、企業価値向上ですので、売却せずに持ち続け、投資し続けるのが王道かと存じます。しかし、配当利回りが下がれば、同じ投入資金で得られる配当が減るため効率が悪く、年間受領配当<含み益であれば、売却して次の銘柄に乗り換えたほうが効率的に配当再投資の運用が可能と考えた次第です。

(質問2)
高配当系の個別銘柄へ定期購入と並行して、キャピタルゲイン狙いで米国ETF VOOを定期購入する方法について、投資効率が悪いでしょうか?

現在この方法をとっております。理由は、インカム、キャピタル両方を得たく、また、得られたキャピタルゲインをインカムゲイン用の銘柄に投資すれば、投資効率があがると考えたからです(どちらかに徹するという覚悟がないというのもございます。。。)

以上、よろしくお願いいたします。

配当利回り低下による利益確定を行うべきか、配当再投資し続けるべきか

株価上昇により配当利回りが例えば4%から2%になったとしても、私は現時点では基本的に米国株はホールドし続ける形を採っています。日本株なら利益確定するかもしれません。

長期的な上昇を比較的信じさせる米国株はホールドし続ける傾向にあり、サイクル的な上昇に留まると思しき日本株なら利益確定も選択肢になってきます。

ただし配当再投資する対象は、投資妙味を感じられるものです。

取得価格に対する配当利回り(Yield on cost)も見ていて、あくまで投下資本に対する配当金が好きだからです。これは個人的な好みではあります。

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ではご質問の「以下2案のうちどちらが効率良く資産を増やせるか」について詳述していきます。

  1. 売却してキャピタルゲインを得て、元本+キャピタルゲインを別の高配当銘柄に投資
  2. 利回り低下後も、給与+配当を再投資し続ける

①は確かに②より効率よく資産を増やせる可能性を秘めています。

ただ、①の大前提となるのは、「良いタイミングで、つまりその後株価が上昇せず高値圏で上手く売り抜けることが前提」になります。でなければ結局②のように売らずに持っておいて更に上がったところで売った方が効率的です。

この良いタイミングで」というのが難しいです。マーケットや株価の動きを正確に読みきることはできないためです。

更に、株価上昇により配当利回りが下がった株を売却して、より高配当な株に資金を移すのは、せっかく元々高配当な株の株価が成長したにも関わらず、成長性の低い銘柄に資金を移動させる結果になるかもしれません。この場合もったいないですね。

つまり、株価上昇による配当利回りの低下を理由に株式を売却することが効率的か否かというのは、どうしても運の要素にも左右されることになります。

また、売買回数が多ければ多いほど手数料がかさむため、手数料の観点からはリターンは少しずつ毀損していきます。(ただし本件においては売買回数は1銘柄につき、売却→購入のせいぜい2回ですから影響は限定的です)

このあたりをどう勘案するか、ということでポイントは以下の通りです。

ポイント
  1. 株価上昇による配当利回りの低下を理由に株式を売却することが効率的か否かは多分に運の要素や投資家の力量に左右される
  2. 売買回数が多ければ多いほど、手数料の観点からはリターン毀損

私の経験上はどちらが良いかというのは一概には言えませんが、少なくとも以下2つの関連事例を挙げることができます。

  1. 日本株の「ヒノキヤG」を私は数年来保有していて、以前株価上昇による配当利回りが2%台まで下がり、株価が今よりも50%程高い時期があったが、配当再投資し続けていた為、現時点では利益確定時期を逃したとも言える
  2. ベトナム株の「ビンホアン」を私は数年来保有していて、株価上昇により配当利回りが下落した局面でも売らず、高値を更新し続けているので、現時点では売却せずに良かったとも言える

つまり、結果的に良かったにせよ悪かったにせよ、これは現時点における結果論であって、ヒノキヤGでもビンホアンでも、今後その高値を超えて上昇する局面があるかもしれませんし、今より株価はその高値圏より低迷するかもしれません。

これはやはり誰にもわからないところですね。つまり、結局現時点での一時的な結果論であって、一概には言えないというのが結論になります。

まとめ

よって、やはり以下ポイントを自分なりにどう勘案するか、というところかと思います。

ポイント
  1. 株価上昇による配当利回りの低下を理由に株式を売却することが効率的か否かは、多分に運の要素や投資家の力量・判断に左右される
  2. 売買回数が多ければ多いほど、手数料の観点からはリターン毀損

また、もう1つのご質問「高配当株投資と並行してキャピタルゲイン狙いでVOOを購入するのはどうか」というキャピタルとインカム両方狙うという戦略も、良案になり得ると思います。

詳しくはこちらの記事をご参照頂けますと幸いです。

https://freetonsha.com/2019/05/10/vti-spyd/

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

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公開日:2019年5月14日

コメント

  1. まご より:

    こんにちは。最近こちらのブログに出会い、興味深く拝見しています。
    元々は勝間さんの本を読んで投信積立を始めましたが、幅を広げたいと思い模索しています。
    さて、本業の方でこのところ不景気の話をよく聞きます(主に日系製造業から)。
    2020年にリーマンショック級の景気後退が起こるので、その準備をしている、とも。

    もちろん実際にどうなるかはわからないとしても、もし不景気に備えるとしたら、三菱サラリーマンさんは具体的に何か行動を起こされますか?

    投資を始めたのはリーマン後ということもあり、今までのほほんとやっておりましたが、何かした方が良いのか、考えております。

    是非ご意見いただければ嬉しいです。