中国人が日本で爆買いできる背景として、現地の人から中国語で聴き取った情報を元に以下理由を挙げて詳述します。
▶沿海部における不動産価格の高騰
▶政府主導の強制退去による恩恵
中国は大きく変わっている。前時代的な見解は刷新すべし。
ついに来たのか…。この時代が。 https://t.co/BgDaYk2eDq
— オロゴン (@orogongon) April 22, 2019
この現状は全然笑えなくて、実際に身近な中国人の友人(上海在住)が大阪旅行に行った際に、「日本の物価が安くてびっくりした。食べるものも、飲むものも、ホテルの宿泊費も安い。唯一車を貸し切る費用が高いぐらいで、あとは全て安い」と驚いた表情で先日話していました。
礼儀やマナーなど、人としての素養という面や、建物のガラスの綺麗さや街の綺麗さ・洗練され具合では確かに未だに日中間に隔たりあるものの、経済力や特定分野の先進技術、加えて冒頭ツイートで言及されている一部賃金や個々人の経済力は急速に差が縮まっているどころか一部凌駕されています。
特に個々人の経済力の急速な増長には目を見張るものがあり、日本における高額消費、いわゆる「爆買い」に代表される中国人富裕層の購買力の大きさです。
その購買力の背景として、現地の人から中国語で聴き取った情報を元に、以下2つが主因と三菱サラリーマンは考えます。
1.不動産価格の高騰
2.都市部における強制退去による恩恵
中国人のメンツ主義と外国車と国産車
もちろん、中国は経済格差が大きいです。特に上海・北京など沿海部の大都市と、貴州省や江西省など内陸部ではその格差は非常に大きいです。実際にその街に行き、走っている車の違いでまず歴然とした差があります。
北京や上海はとにかく外車が多い。フォルクスワーゲン、トヨタ、GM、ベンツ、BMW、日産、ホンダなどの外国車が圧倒的に多い。
これは中国人のメンツ主義を如実に表していて、彼らは「国産車は安物」と見下しています。「高いものが良い」「高いものがメンツを高揚させる」と本気で思っています。そして国産車を保有している中国人すらも見下している感があります。
不動産格差と、強制退去による恩恵
不動産価格でも大きく格差があります。貴州省や江西省など内陸部と異なり、上海や北京は東京の坪単価を大きく上回ります。
北京は政府関係者が多いことに起因、上海は経済都市、次に続くのは広州・深圳です。中心部のマンションは1億円どころか2億円物件がそこら中にあります。(中心部の平米単価目安:11万元、郊外:6万元)
そして中国の特有事情なのが、政府・直轄市が不動産開発をする際に、元々そこに住んでいた住民は強制的に移動させられます。地上げに時間を要しません。
政府が「そこのけ そこのけ お馬が通る」と言えば、住民はお馬さんのために強制退去するしかないのです。抗弁する余地は存在しません。
マンションが古くなったため、取り壊し、再開発になったとします。日本では「再開発反対!」などの横断幕が掲げられ、反対運動などもありますが、中国はそんなことしたって意味ありません。当局の「拆(chai)」という「取り壊す・解体する」という意味の一言で以て取り壊し・退去(拆迁 chai qian)が決まります。
では、例えば子供と父母、そして祖父母がマンションの1戸に住んでいたとしましょう。その場合、新しい住居が2戸用意されます。子供・父母へ1戸、祖父母へ1戸が用意されるケースがあるのです。
それが市内の新築だったりするので、1戸1億円は確実に超えるのが今の北京・上海の坪単価ですから、その時点で即座に保有資産価値は2億円を優に上回ります。
しかし彼らは元々中国の高度経済成長前の1戸2000万円もしない住居に元々住んでいたわけですから、一夜にして富裕層にのし上がるわけです。
特定の国有企業に勤務していれば、以前なら格安で住居を購入(とはいえ政府制限により70年間限定の所有権)出来ましたから、自家用住居以外に1戸保有する人は、濡れ手に粟ですね。
日本で高額消費をする中国人が多数いる背景には、このような不動産価格上昇と強制退去、そして国有企業の福利厚生が絡み合った恩恵を受けている人々が都市部に多数いるのです。
また、中国人の日本における爆買いには、一人っ子政策も関係しています。中国には父母が子供の面倒を成人以降も見る文化が比較的残っており、一人っ子政策により、子供が1人しかいないので、経済的にサポートする素地があります。
そして先述の通り、中央政府・地方政府の再開発政策により、強制転居により棚ぼた的に新築のマンションが得られれば、住居費を心配する必要がありませんから、消費に回せる額が大幅に増え、意欲が旺盛です。
実際に北京で現地の人はそう話していました。人生で大きな消費となる不動産の負担がなくなるのは大きいのです。
中国人の購買力を示唆する保有車と物価
北京や上海には多数日系企業が進出しています。そして日本人の駐在員は確かに好待遇です。しかし、その日本人駐在員が日本で保有していた自家用車より圧倒的に高い価格の高級車に、現地スタッフが中国で乗っているという現実もあります。
ベンツやレクサス、キャデラックにマセラッティ、アルファードなど日本円で1000万円を超える外国車を日系企業に勤めるローカルスタッフが乗ってたりします。(トヨタのアルファードは中国では日本と異なり、1000万円します。高級車扱いです。)
北京や上海では、外食で平気で1人500元(=約8400円)とか使う中国人が多くてびっくりします。というか、一品が普通に380元(=約6000円)とか店によってはするんです。高い料理を躊躇なくバンバン頼んでいます。日本がバブルを謳歌していた時期に少し似ているかもしれません。
映画館も例えば2019年4月下旬公開された「アベンジャーズ」は、1人350元する映画館もあります。
確かに設備や内装は綺麗ですが、日本ほど綺麗かというと同程度です。なのに日本円にして約6000円。日本のTOHOシネマは2000円未満。本当に中国都市部の物価は高いです。
そしてそれ以上に驚くのは、そのような6000円する映画館が、結構人気です。つまりそれだけ購買力がある人が多いということですね。
また、北京や上海の道端を歩いていても、露天に売っているコーヒーやラテがだいたい28元ぐらいしたりします。日本円で500円弱。高い。日本のセブンやファミマなどのコーヒーは100円ですよ。
中国人が日本のものが安いと感じるのは、さもありなん、といった感じです。
このように中国はめまぐるしく変わっています。これは勿論、同国の債務バブルの前兆を示唆するのかもしれませんし、そもそもこのような傾向が今後続いていくことを示唆しているに過ぎないのかもしれません。
いずれにしても、このような現状は把握しておくに越したことはありません。自国以外を知ることで、初めて自国を理解でき、自国の長所・短所・特徴も理解できるのです。
三菱サラリーマンは中国を礼賛したいわけではなく、また日本をディスりたいわけでも勿論ありません。他国の側面を知れば知るほど、日本は恵まれています。
そしてその日本で恵まれた環境で生きてきた者の1人として、日本に有益なことが出来れば良いなと強く、強く思うのであります。
Best wishes to everyone!
中国関連トピックとして、以下を挙げておきます。
コメント
いつも拝読させて頂いております。中国の記事面白かったです。どの記事よりも中国バブルの背景がよく分かりました!
中国バブルが弾けた時は、日本の高級品販売に多大な影響ありそうですね。。