中国製造業PMIは政府・民間共に急反発
2019年3月の中国製造業PMIが以下の通り発表されました。
・50.8(财新/民間発表値)
・50.5(国家統計局発表値)
民間発表値は2018年7月以来の高い数字、政府発表値は2018年9月以来の高い数字となりました。
米中貿易戦争勃発から一貫して下落してきた中国製造業PMIは2018年末・2019年始を底に大きく切り返し、今後大返しなるかというところ。
中国製造業PMIの概要をおさらいしておくと、以下の通りです。
1.企業の購買担当者への直接調査結果が基になるため、景気実態を正確に反映しやすい。
2.発表時期がGDPなど他のマクロ経済指標より早いため、速報性高く、将来の景気動向を計る「先行指数」になる。
3.PMIが50上回ると好況、50下回ると不況を示唆。景気が良くなると考える人が多い程指数は高くなり、その逆も然り。
4.中国のPMIは、国家統計局(政府発表値)と財新(民間発表値)の2種類があり、お化粧されているからか、政府発表値の方が時期によって高い傾向
ちなみに、中国製造業PMIはコモディティ市況へも影響度が大きく、中国PMIが上がるとエネルギー需要が堅調との思惑から、WTI(NYMEX WTI)やブレント(ICE Brent)などの原油先物価格の上昇要因になりやすいです。
また、財新製造業PMIは調査対象に大企業だけでなく沿海部の中小・零細企業など外需関連企業が多く含まれることから世界経済との連動性を表しやすいと評価されており、金融市場においては、国家統計局(政府)発表値よりも财新製造業PMIの方が信頼度・重要度が高いと言えます。
では中国製造業PMIを更に細かく分析してみましょう。
足元の生産状況を表す生産指数(黄字)が49.5→52.7と大きく上昇し、米中貿易戦争以降に製造業PMIの足を大きく引っ張ってきた新規輸出受注(赤字)もようやく45.2→47.1へと反発しました。
一方で、先般3月に開催された全人代では、自動車製品に代表される低迷する個人消費(この記事にて詳述)などを受け景気の下振れリスクを大規模な景気対策によっ て回避する指針が示され、付加価値税率・企業向け減税・社会保障費の事業者負担の軽減などが示されています。
よって、経済指標改善がこれらの景気対策を背景とした回復なのか、実体経済の自己回復なのかは不透明という状況で、おそらく前者か。
また、2019年に入ってからというもの、上記以外に中国政府は1月に預金準備率を2度にわたり1%引き下げるなど、足下の景気浮揚に躍起となっており、短期的には景気改善が期待されるものの、長期にわたって持続するかは依然不透明です。
投資家の方々は過度な楽観は控えた方が良く、定期的に給与の一部を株式に投資して積み立てるなど、淡々と投資行動を継続していくことが求められます。
一方で世界経済減速を背景とする景気後退局面に備えて債券や現金比率を増やすのも一案にはなり得ます。
>>関連記事:【世界経済減速の兆候】2019年~2020年にかけて景気後退局面の始まりか
引続き三菱サラリーマンは定常的なキャッシュフローがある限りは、給与の8割以上を目処に株式市場に投下し、高配当株やリートをメインに積み立ててまいります。
明日は給料日。収入の8割をせっせと株式買付にまわす単純な作業。そうして配当収入の綺麗な右肩上がりのグラフが描かれていく。いかに若年期に投下資本を蓄積できるか、もうそれに尽きるんやで。
— 三菱サラリーマン@全力以赴 (@FREETONSHA) May 24, 2017
Best wishes to everyone!