中国経済の減速傾向が鮮明か【製造業PMI・小売売上高の推移】

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中国経済の減速傾向が鮮明か

株式投資を行う際に、マーケットの動きは読めないとはいえ、判断材料や自分の中での軸を持っておくという意味で、マクロ経済を把握しておくに越したことはありません。

中国がくしゃみをすると米国が風邪をひくとまで昨今言われるようになった中国。それだけ世界経済への影響力が大きくなったことを示唆します。

では人口を背景とした世界最大の需要家でもある中国におけるマクロ経済についてみてみましょう。

三菱サラリーマン的に注目すべき指標は以下2つ。

中国の重要マクロ指標2つ

1.製造業PMI

2.小売売上高

製造業PMI

株価同様景気先行指数になり得る指標であり、株価との連動性が高いものでもあります。

小売売上高

中国の国内総生産(GDP)において過去20年間で3~5割を占めてきた個人消費の動向を探ることができるものです。

中国の製造業PMIは、政府発表値(政府機関である国家統計局)と民間発表値(财新)の2種類があり、いずれも確認が必要です。政府発表値は伝統的に信用できず、民間発表値も確認した方が良いでしょう。

(その民間発表値ですら、恣意的な統計となっている可能性はあり得ますが…)

中国製造業PMIのポイントをおさらいしておくと、ポイントは以下4点。

中国製造業PMIの特徴・ポイント

1.企業の購買担当者に直接調査した結果が基になるため、景気実態を正確に反映しやすい。

(原材料や部品を調達する製造業購買担当者が、取引先の動向や製品の需要、自社の生産計画など見極めた上で仕入れを行うため)

2.発表時期がGDPなど他のマクロ経済指標より早いため、速報性高く、将来の景気動向を計る「先行指数」になる。

3.PMIが50上回ると好況、50下回ると不況を示唆。景気が良くなると考える人が多い程指数は高くなり、その逆も然り。

4.中国のPMIは、国家統計局(政府発表値)と財新(民間発表値)の2種類があり、お化粧されているからか、政府発表値の方が高い傾向

中国製造業PMIの推移

では、中国製造業PMIの直近推移を見てみましょう。

上図の通り、3か月連続で景況感境目となる50を下回っており、景況感の先行指数になり得る指標としては、近年において悪い数字であり、景気減速を示唆しています。

中国小売売上高の推移

中国のマクロ経済を見る上でもう1つ参考になる指標は、小売売上高です。

小売売上高のポイントは以下。

中国小売売上高のポイント

過去20年間において、中国でGDPの3~5割を占めてきた個人消費のトレンド把握に好適

では小売売上高の推移を見てみましょう。

上表の通り、中国の小売売上高は2018年春以降、明らかに減速傾向で、2019年2月直近値で前年同期比8.2%増まで落ち込んでいます。

(落ち込んでいるとはいえ、日本からすると8.2%という数字は物凄く大きいわけですが…。日本は概ね0~2%台に留まります。)

尚、小売売上高減速の主因は中国で新車販売台数が落ち込んでいるためです。

下表は過去36か月間における製品種類別(自動車関連製品・飲食料/タバコ類・日用品・石油製品・家電音響機器類)の小売売上高の推移です。

上図を眺めると一目瞭然で、自動車関連が前年同期比-8.5%に対し、飲食料+10.5%、日用品+16.8%、石油製品+5.8%、家電音響機器類+13.9%と対照的です。

自動車関連 総合 食品・飲料・タバコ類 日用品 石油製品 家電・音響機器類
2018年
12月
-8.5% 8.2% 10.5% 16.8% 5.8% 13.9%

中国の新車販売台数は昨年、景気減速や小型車減税打ち切りの反動もあり、28年ぶりに前年比マイナスを記録し、政府は1月末に電気自動車など環境に優しい「新エネルギー車(NEV)」に対する補助金支給を柱とした販売てこ入れ策を公表していますが、効果が本格的に表れるのは今年後半とみられており、当面は低迷が続く見込みです。

まとめ

以上、重要指標である製造業PMI・小売売上高は共に従前と比べて明らかに減速傾向です。(ただ引続き各国と比べて両指標ともに絶対値自体は大きい)

仮に世界経済の減速から世界的に株価が下押しすることになれば、長期投資家というか生涯投資家になるであろう三菱サラリーマンは引続き毎月の定常的なキャッシュフローがある限りは、株式やリートを買い付けて参ります。

しかし、債券ETFや現金比率を高めて下落に備えるというのも、勿論良案になり得ます。

Best wishes to everyone!

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公開日:2019年3月26日