【世界経済減速のサイン】遂に景気後退局面の始まりか
弱気相場が始まる際の特徴として、急落→反発→長期ダラダラ下落という現象が見られます。
直近のチャートを見てみると、急落→反発と来ており、まさにそれをこれから示現するかのようにも見えてきます。
世界経済減速の兆候はいくつもあり、今年2019年~来年2020年にかけて景気後退局面入りすることを意識しておきたいところです。
1.中国製造業PMI50割れ継続
2.中国小売売上高減速
3.米国ISM製造業指数ピークアウト
4.米国中古住宅販売件数ピークアウト
①中国製造業PMI50割れ継続
2016年・2017年頃と比べると明らかに減速傾向であり、政府発表値・民間発表値共に不況を示唆する50割れが継続しています。
おさらいしておくと、PMIのポイントは以下の通り。
1.企業の購買担当者に直接調査した結果が基になるため、景気実態を正確に反映しやすい。
2.他指標に比べ速報性高く、将来の景気動向を計る「先行指数」になる。
3.PMIが50上回ると好況、50下回ると不況を示唆。
②中国小売売上高減速
また中国のGDPの約4割を占める個人消費のトレンド把握に有用な小売売上高推移についても、PMI同様に2016年・2017年に比べ、明らかに減速してきています。
減速とはいえ、いまだに8%も前年比で上回っているのは凄いの一言ですが、中国のことですから政府発表値はいずれにしてもある程度お化粧されているでしょう。
③米ISM製造業指数ピークアウト
米ISM製造業指数も、景気転換のタイミングを測る際に有用とされている指標で、PMIと同じく50が好不況の分岐点となり、主要経済指標の中で最も早く発表されることから、注目度も高い指標です。
注目度が高いことから、概ね投資家心理を表す信用スプレッドと動きが近似しています。そして、ISM製造業指数も2017年~2018年に天井をつけ、2019年に明らかに下落しています。
④米中古住宅販売件数
米国経済を2年程度先取りする指標となる中古住宅販売件数は、こちらも2017~2018年に天井をつけて減速傾向をたどっていることがわかります。確かに信用スプレッドも14年の中古住宅販売件数の下落から2年遅れて16年に悪化しています。
中古住宅販売件数は2017年11月に天井をつけてから、2019年1月時点で500万台を割り込む491万戸。
前回の景気後退入りは、中古住宅販売件数のピークから約2年前後で景気後退・更に株価下落を伴ったことから、2019年~2020年にかけて景気後退・株価下落を意識しておきたいところでしょう。
世界経済減速のサインまとめ
1.中国製造業PMI50割れ継続
2.中国小売売上高減速
3.米国ISM製造業指数ピークアウト
4.米国中古住宅販売件数ピークアウト
以上、4つの指標を見てきました。いずれも共通するのが、2017年近傍で天井をつけ、そこから下落傾向をたどっていることです。
これらのことを踏まえつつ、投資家は相場変動に際して冷静に対処することが求められます。
狼狽売りや投げ売りは控えた方が良く、長期資金であれば淡々と下値を拾っていくことが良案ですし、リスク許容度を超えている投資家は債券比率や現金比率を高めて下落に備えるのも一案です。
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現に、2018年末の急落局面前後では、IBMやBTIの直近底値を拾うことができ(勿論、運が良かっただけです)、低迷局面でも定期的に買い向かうことは、大きく資産形成に寄与し得る行動です。
Best wishes to everyone!