本論に入る前に、iDeCoの最新の状況を以下確認しておきましょう。
2022年における「iDeCo(個人型確定拠出年金)」に関する制度改正
- 4月:受給開始年齢の上限が「70歳」→「75歳」に
- 5月:加入年齢が「60歳まで」→「65歳未満まで」に拡大
- 10月:企業型確定拠出年金+iDeCoの両方に加入可能に
ではそんな個人型確定拠出年金(イデコ)について、加入するべきか否かというご質問について、以下回答いたします。
iDeCo(個人型確定拠出年金)を検討する際のポイント
数ヶ月前からブログ等を拝見させて頂いております。ブログ内の記事を大体目を通し、数年早く三菱サラリーマン様のことを知れていれば……!!と悔いる思いです。
これを機会に、昨年末より投資先を米国株等に切り替え、良い値で取得できたと思っております。
さて、iDeCoについて言及されている記事を見受けられなかったのてすが、三菱サラリーマン様はiDeCoについてどのような見解をお持ちでしょうか。
若年期か老後、どちらのお金を重視するのか
ありがとうございます。私が考えるイデコ(iDeCo)に加入すべきかどうかのポイントは、以下の通りです。
- 若年期にお金を持っていたい・使いたい人
→ 老後まで資金拘束あり、おすすめしません
ただし、先取り貯蓄として活用可能 - 若年期より老後にお金を持っていたい・使いたい人
→ おすすめします
ちなみに私は、若年期のキャッシュフローを増やしたかったので、iDeCoはやっていません。
税制上の優遇 と 先取り貯蓄
確かにiDeCoは「じぶん年金」とも呼ばれ、老後に向けた長期資産形成において、「税制上の優遇」と「途中解約できないため、先取り貯蓄できる」というメリットがある制度です。具体的には以下3点。
- 退職所得控除・公的年金等控除
- 所得税・住民税の所得控除
- 運用益非課税
掛け金上限額
掛け金上限額は、りそな銀行が見やすいので以下載せておきます。
これら税制上のメリット、特に所得控除は、ただちにメリットとして効いてくるものですね。
60~75歳まで資金拘束があり、よくもわるくも途中解約不可
ただ、iDeCoは、一度資金を入れてしまうと、60~75歳まで引き出せないという資金拘束があります。
これは
- 先取り貯蓄を可能にさせるメリットにもなるし、
- 途中で引き出せないというデメリットにもなり得ます。
さらに今後、定年が延長されることはあっても短縮されることはないでしょう。実際に2019年には元々の60歳の解約時期が60歳~75歳と選択肢の幅が広がることが示され、2022年に施行されました。
私がiDeCoをやらない理由
ちなみに、私がiDeCoをやらない理由は、この途中解約できない点に尽きます。
老後まで資金を引き出せない、使えないというのは私にとってはデメリットです。老後よりも若年期のキャッシュフローを重視するからです。
「老後に資金が多くある」のと、「若年期に資金が多くある」のとでは、資金の使途・可能性に差が生じます。若年期の人生の選択肢を増やす手段になるからです。
- 大学生は、自由と若さがあるがお金がない
- 社会人は、若さとお金はあるが自由がない
- 老後は、 自由とお金はあるが若さがない
海外旅行をするにしても、年を重ねてから見る景色と若年期のそれとでは、同じ景色であっても感じ方などは、よくもわるくも異なるのでしょう。
資産運用をする上で、換金性・流動性というのも私の中で外せない項目です。
ただし、「強制的な先取り貯蓄」になる
ただし、拙著にも詳述の通り、途中解約できないからこそ、強制的な先取り貯蓄になり、純粋な老後資金として確保できます。
よって、あくまで純粋に老後資金目的ならば、活用メリットの大きい制度と思います。
【iDeCo】個人型確定拠出年金まとめ
- 若年期にお金を持っていたい・使いたい人
→ 老後まで資金拘束あり、おすすめしません
ただし、先取り貯蓄として活用可能 - 若年期より老後にお金を持っていたい・使いたい人
→ おすすめします
①なのか②なのかは、個々人によって考え方や嗜好が異なってきますから、当人の人生プランに合わせて選択をしていく形と思います。
今ある制度を上手に活用し、人生を充実させていきたいですね。②の方は、その手段の1つとしてiDeCoは十分おすすめできるものだと考えます。
Best wishes to everyone.
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制度面としては、従業員持株会というのもありますね。
若年期に配当金を気前よく使ってしまうのも、一案です。幹は残しつつ、果実を享受するかたちです。