【WBK】ウエストパック銀行は利ざや縮小で株価下落、配当利回りは7%へ

【WBK】ウエストパック銀行の下落要因は利ざや縮小懸念か

WBKの現状(株価下落)や見解についてご質問を頂いたので、弊方なりに分析したものを以下ご紹介させて頂きます。

以下は同社10年チャートです。確かに株価は下がってきています。

ここ半年でおそらく20%程度でしょうか。およそ3年間分の配当金に相当する幅ですね。

ウエストパック銀行の現状について結論から申し上げますと、株価下落要因として、

  1. 短期借入コスト(借入利率)の上昇
  2. 住宅ローン金利(貸出利率)の低下

上記2要素による「利ザヤ低下」が挙げられるのではないでしょうか。

まず、伝統的に銀行という業態は、貸出利率借入利率との差(いわゆる利ザヤ)で稼ぐことにあります。

借入利率

この場合、銀行にとっての借入利率として代表的なものは、私たち個人が銀行にお金を預ける際に適用される預金利率です。

そして他にも、短期金融市場(金融機関同士で1年以下の短期資金を調達・融通し合うインターバンク市場)での借入利率もあります。

貸出利率

そして、貸出利率とは主に企業への融資や個人への住宅ローンに適用される利率です。

そして銀行は、例えば以下のように

  • 貸出利率を2.0%
  • 預金利率1.0%

にすることで、差分の1.0%が銀行の懐に入り、利潤として計上されるわけです。

【WBK】ウエストパック銀行の収益内訳

次に、WBKの直近2018年の決算書から収益内訳を見てみましょう。

出所:WBK Annual report 2018

最も大きな割合を占めるのは個人金融部門(39%)、次いで商用部門(27%)です。この2部門で実に過半の66%を占めます。

上述2部門は共に利ざやで収益を上げている部門でもあり、利ざやが影響を与える影響は有意にあると言って良いでしょう。

【WBK】ウエストパック銀行のNet Interest Margin(利ざや)低下

ウエストパック銀行のNet Interest Margin(貸出利率借入利率の差)は、以下の通り

  • 2018年上期(2017/10/1~2018/3/31)
    →2.17%
  • 2018年第三四半期(2018/4/1~2018/6/30)
    →2.06%

というように、有意に下落しています。

この利ざや圧迫要因は以下の通り2つ挙げられます。

利ざや圧迫要因①:借入比率の上昇

ABC Newsによれば、豪銀の資金調達の6割を占める預金が、住宅ローンの返済にまわされ、以前ほど潤沢な預金量が確保できなくなっているとされており、これは利ざや低下の一因として挙げられるでしょう。

なぜなら、銀行は別途資金調達をするために、短期金融市場が預金という負債の借入利率がより割高であれば、その割高な利率で短期金融市場から資金調達することが必要になります。

そして、実際に以下の通り借入コストは上昇傾向にあります。出所:ABC News

2018年6月時点で借入コストは0.3%から0.66%に倍増しています。借入利率が上昇傾向にあるということです。

更に、上表はオーストラリア準備銀行からのデータですが、インターバンク市場における3か月物金利は今年に入って明らかに上昇しています。短期金融市場で資金調達する際の借入利率が上がっているということです。

利ざや圧迫要因②:貸出利率の下落

更に追い打ちをかけているのは、住宅ローンの規制による貸出金利の引き下げ圧力です。

まず、豪州四大銀行(WBKのシェアは23%程度)は総じて、下表の通り住宅ローンが主力事業です。

出所:オーストラリア金融監督庁(APRA)

その主力事業である住宅ローンの貸出比率に対して、当局から半ば圧力がかかっています。

発端は2016年の豪証券投資委員会(ASIC)が指標金利の不正操作問題で、オー ストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)、ウエストパック銀行 (WBC)、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)を提訴。

更に2018年2月には、王立委員会が予備公聴会を開催し、金融業界の不正追及に向けた活動を開始。3月には銀行の個人向けローン事業に関する第一次公聴会が開催されるなど、内部統制へ疑惑の目が向けられ、豪州当局から住宅ローン融資が規制されているのが現状です。

そして更に、オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューによれば、ウエストパック銀行は今年2018年に、居住用住宅向け住宅ローン金利を1956年以来の低水準となる、3.59%に引き下げています。

その背景には豪州世帯負債の拡大により、ただでさえAPRAから厳格化されている住宅ローン融資規制が更に拡大するとの憶測を呼んでいます。

まとめ → 利ざや縮小面でのダブルパンチ

ということで、WBKとしても

①主力の住宅ローン事業の貸出利率を上げにくい上に、

②インターバンク市場での借入コストも上昇中のため、

利ざや縮小におけるダブルパンチをくらっているというところではないでしょうか。

とはいえ、ファクトセットによれば、豪銀の純利益は年率4%で継続成長していくことが予測されてはいます。そしてこの株価下落でPERは10倍程度とPER上は割高感は一切ありません。

私は引き続き買い増し候補としてウォッチしています。

Best wishes to everyone!

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