「FIRE」という新しい生き方・時代の潮流が、ついに勃興しました。
- Financial Independence and Retire Early
- 経済的自由を達成し、自由な生き方を志向するムーブメント
私はこの流れは必然だと思っていて、社会的に不可逆の変化となっていくのか、私自身も注目しています。
私が新卒だった当時、「FIRE」という言葉はありませんでした。後述の通り、2018年にFIREと出会うことになります。
奇しくも私が新卒から続けていたことは、米国でいう「FIRE」の概念と軌を一にするものでした。
ついに、ついに、7年半毎日思い描いていたセミリタイアを実現しました。振り返れば、労苦ありとも実り多きサラリーマン人生でした。愛すべき豚舎を含め、全てに感謝です。
【念願】30歳で本当にセミリタイアしました。【FIRE】 https://t.co/uvR6aKuC8C
— 穂高 唯希|Yuiki Hotaka (@FREETONSHA) October 18, 2019
FIREムーブメント(米国編)→ 所得の7割を貯蓄に回す
こういう人今後増えていくでしょうね。日本だと三菱サラリーマンさんかなーと読みながら考えてました。 https://t.co/DQx6TF9nYJ
— まるねぇ@純資産3,000万丸の内OL (@marunouchiol_) November 5, 2018
さいきん流行の三菱サラリーマン @FREETONSHA さんの生き方に通じるわな。私もいい生き方だと思います。 https://t.co/LjNVWz06c1
— エナーリ (@keyakidairaoi) November 4, 2018
これまさに、三菱サラリーマン(@FREETONSHA )さんじゃん。笑 https://t.co/wcTgyQdtUX
— 白蛇@中小型株 (@Shirohebi_123) December 17, 2018
ウォールストリートジャーナルの記事と読者の方から頂いたコメントで、和製ならぬ、洋製三菱サラリーマンを発見しました。
さすがに私は廃棄直前の食品は買いませんが、以下共通点があります。
- 倹約志向
- 給与の過半(シルビアさん7割、弊方8割とほぼ同じ)を投資に回している
記事内のシアトルに住む弁護士のシルビア・ホールさん(38)の特徴は以下の通り。
- 家計を徹底的に切り詰め、2020年までに200万ドル(約2.2億円)貯蓄を目指す
- 食費は月75ドル以下に抑制すべく、茶色いバナナなど廃棄直前の食品を選好
- ガソリン代節約すべく、徒歩通勤
- 娯楽費節約すべく、Netflixは友人アカウントを借用
ということで、徹底した倹約家。もはや米国のミレニアル世代にとって、65歳という定年は過去の遺物になりつつあると記事内で指摘されています。
FIREの概念とは
FIREという概念は、既に以前弊ブログでも触れている通りですが、経済的自立と早期退職という米国の若者で広がるコンセプト・生き方です。つまり、自由な生き方を志向しています。
- 食材を自前で栽培
- 小さな家に住む
- 旧型の車に乗る
など反物質主義・反大量生産主義・反消費主義的な側面も垣間見えますね。
その自立と倹約の精神は古く、1758年ベンジャミン・フランクリン著「富に至る道」1841年ラルフ・ウォルドー・エマソン著「自己信頼」などに遡るとのこと。
「FIREという新たな生き方」と「前時代的価値観への懐疑」
- FIREというコンセプトに特化したオンラインフォーラム45万人以上のフォロワー
- FIREの支持者は全米各地で集会を開き、支出管理や投資について討議
米国では既に上に挙げたトレンドができつつあるようで、ミレニアル世代は既に新たな生き方を模索し始めています。
それは同時に、上の世代の前時代的な生き方に懐疑的であることと同義で、それは確実に日本にも当てはまることでしょう。
特に周囲の上の世代のサラリーマンを見ていて思うのは、仕事第一で生き、それを肯定的にとらえる(それを積極的に誇りに思っているのか、あるいは自身を否定することになるため消極的にその生き方を肯定しているのかは不明ですが)姿勢には、隔世の感があります。
それは「日本のマクロ経済の中身における変質」と軌を一にしています。
具体的には、以下の現象が見られます。
- 人口も増え、
- 大量生産大量消費に憧れ、疑問なく、
- 現代ほど知恵を絞らなくとも商品が売れ、
- 物質主義・高成長社会の良い面を謳歌できた。
(特にニッチな業界というのは多く存在し、当該業界では尚更知恵を絞らずとも静かに利益を上げることもできました。)
需要家のパイが広がっている以上、やればやるだけ商品は売れ、作れば作るだけ商品は売れ、設備投資を拡大しても利潤率は逓減せず、それは刺激的と思えるでしょう。高成長社会・物質主義の良い面です。
労働集約的に皆が同じ方向を向き、大号令の下に従事していれば給与も上がり、先進的な技術に触れ、生活は豊かになっていった時代。
しかしそのような時代は、終わりを告げました。個々人が個々の嗜好を追求し、需要は多様化し、グローバル化と共に労働単価や物価などがフラット化の圧力も受けやすくなりました。
変化は激しく、明確な正しい方向、明確な最適解というのが日々変わり得る現代です。しかし悪いことばかりでもありません。
個人は以前より自分の足に依って立つ手段が増えました。
- 株式投資の手数料は店頭販売時代からネット移行で格段に下がり、
- インターネットの発達により場所に縛られず働くことも可能になり、
- 好きなことを表現することで収入が得やすくなった
など、物価・労働コストのフラット化だけでなく、メディア産業と個人の力関係もフラット化(対等化)してきた時代でもあります。
こういった経済的基盤を確立するプラットフォームが普及したことも、FIREという概念の普及と無関係ではないでしょう。
日本でもFIREは可能
明日は給料日。収入の8割をせっせと株式買付にまわす単純な作業。そうして配当収入の綺麗な右肩上がりのグラフが描かれていく。いかに若年期に投下資本を蓄積できるか、もうそれに尽きるんやで。
— 穂高 唯希|Yuiki Hotaka (@FREETONSHA) May 24, 2017
奇しくも、ここ日本では、まさに私が冒頭のような生き方を志向してきました。そしてFIREを実現しました。
FIREムーブメントは、米国だけに限らず、ここ日本でもまさに勃興する途上と私は考えますし、それは私だけが可能ということではなく、「給与の多くを投資に回す」という手法を採り続けていれば、期間の長短はあれ、FIREは可能です。
その軌跡や手法は、つぶさに、つまびらかに、弊ブログで述べてきた通りです。
先日、中国人ローカルスタッフに尋ねました。
「あなたの夢はなんですか?」
返ってきた答えはこうです。
「お金持ちになって、今の仕事をやめること」
本音の国と建前の国、この違いが如実に表れた好例だと思います。
日本では、ここまで公に言う人は少数かもしれませんが、潜在的なFIRE欲求は根強くあると思います。そしてその欲求を達成するのは、不可能ではありません。
毎月の給与から株式を愚直に購入していけば、時間は応分にかかっても、私のように日本でサラリーマンがFIREすることは可能です。一切、あきらめる必要はないと思います。
Best wishes to everyone!
FIREを達成した際の記事です。
倹約主義によるアーリーリタイア・セミリタイアは米国だけでなく、豪州やドイツにも広がっているようです。
私のFIREに至るまでの詳細などは、拙著「FIREをめざす人のための資産形成入門 – 30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法 -」に体系的に記載しています。