資産がいくらになったらセミリタイア・アーリーリタイアするのか、という命題
アーリーリタイア、セミリタイアを目指す者にとって、幾度となく考え、夢想し、悩みどころでもある命題かもしれません。
以下質問を以前頂き、
「資産(不労所得)がいくらになったら会社辞めますか。会社辞めたら何をしますか。」
私にも丁度契機となる出来事も重なり、ある程度このご質問に対して明確になった部分もあるので、この機にお答えしたいと思います。
リタイアするタイミングは、資産額や収入なのか、あるいは会社でやり残したことの有無か
今この問いに答えるとしたら、「自身が会社で経験したいことを経験し、達成したいことを達成した上で、経済基盤をある程度盤石にした状況を作ってから辞める」というのが回答になろうかと思います。
自身が会社で経験・達成したいことが今般丁度与えられました。そしてそれをする過程で、必然的に経済基盤が強くなっていく手のものです。
困難を伴いつつも恐らく刺激的で、他では得難い経験になり得ることではあります。
ですので、「資産がいくらになったら、不労所得がいくらになったら辞めるか」というよりは、上述したことにいつまで従事し続けるか、その具合に満足した時がそのXデーと考えます。
以前は、資産がいくらになったら、月々の不労所得がいくらになったら、配当金収入がいくらになったら、間違いなくこういった観点で考えていました。
まず、経済的自由達成を必達目標にした
当初、生活コストが低いのでまずは最低でも経済的自由達成、つまり不労所得が支出を上回る状態、これを必達目標としていました。
背水の陣を敷いて不確定要素が非常に多く、経済基盤が脆弱な中で会社を辞めるのは得策ではないと思ったからです。
2017年12月に、語義的には一応の達成を見ます。
目処は不労所得を含む副収入で月20万円とした
必達目標の他には、副収入と不労所得(配当金収入)を合わせて月20万円を1つの目処としていました。
単身で低コストライフを営める人なら、余裕でセミリタイアできる水準です。
なぜ、あくまで”目処”としたか
“目処”としているのは、以下ツイート
明日は給料日。収入の8割をせっせと株式買付にまわす単純な作業。そうして配当収入の綺麗な右肩上がりのグラフが描かれていく。いかに若年期に投下資本を蓄積できるか、もうそれに尽きるんやで。
— 三菱サラリーマン@全力以赴 (@FREETONSHA) May 24, 2017
で記載の通り、その後の人生を考えると、若年期に資本は多いに越したことはありません。この資本の蓄積という意味では、「副収入の育成」が「働くこと」と時間の制約上、相容れない状態(多忙のあまり副収入を生み出すものにコミットできない状態)でない限り、給与水準の高い会社である程度は働き続けた方が良いからです。
とはいえ、辞めたくてたまらない状態になった時は、上述黄色部分と天秤にかけて重い方を優先する、つまり多忙さや仕事や集団主義から解放されたい欲が勝った時に、「その欲に即座に従っても良いライン」ということで”目処”としました。
幸い、環境は以前より飛躍的に改善されたことで、目処達成後もこうして続いています。
「資産や不労所得の多寡」よりも、「会社でやり残したことがあるか否か」が徐々に判断材料として大きな割合に
先に述べてきた通り、当初は資産や不労収入という金額を目標としていたのが、いつのまにかそのセミリタイアをする際に考慮することや判断軸が徐々に変わってきたんですよね。
金額目標も勿論非常に大きな要素ではあり続けるんですけど、「会社で望むことを達成できたか否か」という観点が加わってきました。
そして、図らずもその観点で望むものを達成していくためには、もう少し働くことと同義なので、その結果、ある程度は余裕のある資産計画が立てられるようになり、セミリタイアにおける資産面での制約は更に薄れるという副次的効果も生まれました。
なので、本題の回答という意味では、冒頭でお伝えした「自身が会社で経験したいことを経験し、達成したいことを達成した上で、経済基盤をある程度盤石にした状況を作ってから辞める」が回答になります。
ある時、急激に伸びる転換期は語学でも、副収入の構築でも、資産推移でも突如やってくる。でもそれは継続してる者だけに訪れる
ここからは、記事タイトルを考えるに関連して、感じたことを記しておきます。
語学って、例えば留学して半年ぐらい必死になって語学習得に努めると、ある時、自分では気づかないうちに急成長するんですよね。
これってブログのアクセス数や、資産推移でも同じことが起こり得ることでありまして、1つの成功体験を得たら、それは横展開できる可能性は非常に高いと思ってます。
例えば、読者の方でこんなふうに考えたことがある方、絶対あると思います。私も考えました。
ただこの結論というのは、あくまで数式でいう一次関数(y=ax+b ※aとbは定数)的な推移から導出された結論です。
語学と同様に、副収入だって、たとえ最初は緩慢とした一次関数的推移であっても、ある時点を起点として、一次関数的な推移ではなく突如として指数関数的に急激な伸びを示すことも十二分にあり得ます。
ただ、多くの人はその契機を迎える前に辞めてしまう。そうですよね、だって緩慢とした一次関数的な推移では、投下時間の割に利得や成果を実感しにくいからです。
現代はジェネラリストよりスペシャリストの方が知遇を得やすいか
でも、自分の好きなことを徹底的にやれば、その分野では一目置かれるような、一廉の人物になることは決して夢物語ではないと、今ならちょっぴりだけ自信を持って言えます。
そしてそれが例えば周囲・地域社会・社内で知れ渡るようになると、徐々にその分野で教えを求める人が増え、人事異動にまで関連してくることは十二分にあり得ます。
それだけではなく、
- 講演会の講師依頼を頂く、
- 新聞社などのメディアから取材依頼を頂く、
- 情報発信する知遇・機会を得る、
- 知識が人の役に立つ時もある、
などなど、様々な副次的効果が表出し、その効果は広範になり得るものです。
何が言いたいかっていうと、「やはり何かに継続的に取り組めば、当初は一次関数的な伸びや将来しか予測できないと思うんですけど、そんなことは決してなくて、続けていれば、ある時点で急伸し、指数関数的に伸びることもあるので、根気を持ってやり続けてみてください」ってことです。
個人的には、その体験は留学の語学学習で初めて強く実感したことなので、そういった体験を1つ得ると、ほかの分野に横展開しやすいと思います。ただ、その横展開も結局自分が好きなことじゃないと長続きしにくかったりします。
がむしゃらになんでも続ければ良いというわけではなく、やはり自分が好きなこと、これをやるのは苦じゃないですし、継続できますし、万一それが何物にも結び付かなくとも、好きなら後悔する度合いは劇的に下がります。
そうやって特定分野で一廉の人物が増えれば、ひいては日本にとっても、とても素敵なことだと思うのです。
ご参考になりましたら幸いです。
Best wishes to everyone!
セミリタイアのタイミングについてはこちらでも違う観点から考察してみました。自分の価値観を明確化するという観点でも、そのタイミングは測りやすくなると思います。セミリタイアのタイミング以外でも応用可能ではないでしょうか。
不労所得が月20万円になったら、どんな生活ができるかシミュレーションしてみました。やはりミニマリスト的低コストライフなら余裕はありそうですね。
明確な目標を設定しておけば、副次的効果は表れ、一次関数は徐々に二次関数・そして指数関数的な伸びに変わっていく要素の1つになり得ます。
コメント
いつもブログを楽しく拝見させていただいています。
私もアーリーリタイアを目指しており、幾つものブログを拝見してますが、コメントをした事はありません。
ただ、今回の記事は非常に感銘を受けましたので初めてコメントさせていただきました。
特に、視点の妙と内容の流れが楽しめました。
私はアラフォーで社内の役割としては、部署の立て直し屋といった感じで、4年毎に部署移動をしております。
決まった年数はありませんが、一から立て直すのに約4年かかってしまってる現状です。
経費云々よりは、人材育成からスタートして最終的には売上UPという感じですね。
投資歴は約10年で、もっと早くから取り組めば良かったと思いながらも、過ぎた事は気にしないようにしております。
現在の資産は約3000万で97%を株式で運用しています。
まだ配当銘柄比率が低いので、今後は積極的な米国株投資で目標である8年後のアーリーリタイアを目指したいと思います。
長々と個人的な事を書いてしまい申し訳ありませんが、これからもブログを拝見していきますのでよろしくお願います。
また、これ程の内容を書かれるのは大変な作業かと思いますので、このコメントはサクッと流していただいて構いません。
これからも応援していますので頑張って下さい!
はじめまして、コメント頂きましてありがとうございます。
部署の立て直しとは、だれにもできることではないかと推察致します。
仰る通り、過ぎたことは変えられませんから、目の前をしっかり見据えて取り組むのみですよね。
私も高い割合で株式で運用しているのでその点似ております。
また、温かいお言葉も頂き大変励みになります。
今後とも参考になるような記事を書いていければと思います。
引き続きよろしくお願いします^^
子は授かりものではありますがセミリタイア判断に子育ての有無、または計画はありますか?
留学させてあげたい、インター通わせたい、家族で海外に住みたいなどあるならば必要なお金も変わってくるかと思います。教育費は数百万から数千万と幅があり対応が変わるかとおもいまして。
1年我慢すれば大学の学費が貯まる、5年耐えればアメリカ留学、とは考えませんか?