高配当株に長期投資する理由と、メリット・デメリット。

読者の方から以下のようなコメントを頂きましたので、「なぜ高配当株の長期保有による資産運用をしているのか」について述べます。

三菱サラリーマンさん、こんばんは!

私も現在、AT&Tの購入を検討しています。やはり6%を超える配当利回りは魅力的です。

米中貿易戦争での株価急落に巻き込まれて、この間成長性に惚れて購入した中国光大国際(00257)は大幅下落です(香港ハンセンの話で恐縮です)。。

このような時、いつも三菱サラリーマンさんのように高配当株を買うべきだったと後悔しています笑笑

まず、投資手法は多様であって良い

まず最初に申し添えたいのが、資産運用の手法は個人の嗜好や経済状況などによってベターな手法は変わってきます。

ですから、弊サイトの基本的なスタンスとして、「特定の投資手法を礼賛し、特定の投資手法を批判する」つもりはありません。

みんな違ってみんな良い」というと陳腐な表現になりますが、まさにそれが信条です。個人の多様性があって然るべく、投資手法も多様性があって然るべきです。

インデックス投資だろうが、グロース株投資だろうが、ディフェンシブ株だろうが、高配当株だろうが、シーゲル銘柄だろうが、集中投資だろうが、各人によって得意な手法や適した手法は異なります。

ただし、日本で跋扈していた(している)信託報酬など手数料が極めて高いユーザーフレンドリーでない金融機関ファーストな投資信託だけは、絶対ダメです(笑)

あと、トルコリラや南アフリカランドなどの新興国高金利通貨も個人的にはあまりオススメできません。高金利からのスワップ収入は魅力ですが、中長期的には通貨価値自体に毀損により、スワップ収入が減殺される傾向が多分にあるからです。

話を戻しまして、株式投資であろうと、なんであろうと、個人の価値観はあまねく多様ですので、「各人違っていて、それで良い」というのが基本スタンスであることを、まずは申し添えておきます。

個人が各々に合った、好きな手法を追求すればそれで良く、単一な最適解というより個々人にあった多様な方法論があって良いと個人的には思います。

なぜ、高配当株投資なのか。メリット・デメリット。

それでは、なぜ私が高配当株投資を選好するのかを述べます。

これは、「配当による株主資本の流出、ならびに配当課税によるリターン押し下げという”デメリットと思しき理論的側面”を考慮してもなお、それを上回って余りあるメリットを実感するから」に他なりません。

代表的な例として、下落相場でも「配当による買い増し原資・キャッシュフロー」が創出可能なことが挙げられます。

私が無配当の成長株(グロース株)に投資しない理由はここにあります。暴落した際に無配銘柄ばかりだと現金比率がない場合に定期的に買い増せないのです。

私は個人的に定期的に買い増せるかどうかを非常に重視していまして、投資方針もライフプランニングも定期的に買い増しできるかが密接に関連しています。

投資で最も避けたいパターンは何か

私の最も避けたいパターンは、無配当・高PERの銘柄に投資していて、成長期待が剥落して下落するパターンです。

例示すると2018年7月のフェイスブック(FB)が該当します。

一時的に20%下落しました。尚、現在は値を戻しています。

こうった局面では、配当利回りによる株価の下方硬直性(=下支え効果)がない上に、高PERだった銘柄なので、下落幅が読みづらい上に、通常のPERまで下落することを想定したりすると、下落余地の想定幅が大きくなります。

この場合、20%も下げると狼狽売りにも繋がりやすいです。ここで売ってしまうようなタイミング売買だと「あの時売らなければ…」と精神的に後悔してしまう確率が高まります。

それまでたとえ大きな利が乗っていても、一瞬の下落により1年分の含み益が一瞬で吹っ飛ぶこともあります。私はFXでそういう局面を幾度となく痛烈に経験したので、これが最も個人的に嫌うパターンです。

2018年のフィリップ・モリス【PM】のように、成長株だけでなく高配当株でも20%の急落は起こり得ることですね。

ただ、配当が出るか否かで心持や狼狽売りの蓋然性は変わってきます。

2019年にファクトセット【FDS】を購入しました。連続増配株ながら成長株であり、配当利回りは1%台でした。

購入から下落を挟んだ後、株価が買値を上回った時点で、結局すぐ売却しました。

FDSの下落局面では「精神的に、全く心地よくなかった」からです。ここが決定的に高配当株と異なる点です。

高配当株であれば、このような精神状態にならないことは、既に何度も経験済みであり、自分が高配当株に適していることは明白も明白です。

配当という”仕組み”がキャッシュフロー・好適なKPIを生む

高配当株は配当が吐き出されるたびに、利益確定と同じ作用が働きます。

配当には課税され、株主資本の流出分よりも税金分減ったものが手取りになります。

したがって、利益確定と原理的には変わりませんし、「配当分課税されずに事業に再投資した方がリターンは高まる」という理論はうなずけますし、配当を受け取ったからと言ってそれ自体が錬金術のように資本を生み出しているわけではありません。

しかし配当を吐き出すことで、一部利益確定され、それが定常的なキャッシュフローとなり、目に見える形で証券口座に入金されます。

そしてそれは、趣味に使おうが、下落局面で買い増す余資にしようが勿論自由です。

この自動的に一部利益確定されるという”仕組み”が良いのです。この”仕組み”があれば、以下メリットがあります。

  1. 目に見える形でのわかりやすいキャッシュフローが生み出され、KPIとなり、モチベーションの持続・向上が図りやすい
  2. 下落局面での買い増し余資になる

いずれも精神面での絶大なメリットです。投資において私が重視するのは、「理論的にベストと思しき解」ではなく、「ベストかどうかは不明なるも、精神面で自分に好適な、少なくともベターな解」です。

精神面に寄与、更に暴落への備えの親和性が高い

これもFXでいやというほど感じましたが、結局自分の精神とどう向き合うのか、どういった投資方針を設けて、どうその方針を貫くのか、ここが肝になってくると感じました。

実際に下落局面・暴落局面になったときに、配当で毎月数万円でもキャッシュフローが生み出されるかどうかで、心持は一変します。

配当収入を増やすことで、常に暴落局面への備えになっていると言っても過言ではありません。

リーマンショックで、スプレッドが開きつつドル円が急落していくのを間近で見ていましたが、それが人生で初めての暴落だったので、その時冷静ではありませんでした

。暴落でも冷静にいられる仕組み、これを作ることが先決と私は思います。

暴落というのは今この時も、これから先も常に起こり得ることなので、常にそれを頭の片隅に入れながら備えておくことが必要になります。

私の場合、その備えは定常的なキャッシュフローをできるだけ大きくすることです。その備えは、高配当株と最も親和性が高いのです。

米国高配当株と米国成長株のリターン比較

下図はJPモルガンのデータ、「米国高配当株と米国成長株のリターン比較・内訳」です。

1993年1月を100とした場合の配当再投資なし前提で、高配当株・成長株におけるトータルリターン比較は下表の通り。

配当再投資なし 高配当株 成長株
キャピタルゲイン 543.5 824.7
インカム(配当) 340.6 94.5
トータルリターン 884.1 919.2

配当再投資しない前提では、高配当株より成長株がリターンで上回っています。

しかし、以下「配当再投資あり」の場合では、「配当再投資の威力」ならびに「高配当株の特長」が感じられます。

配当再投資あり 高配当株 成長株
キャピタルゲイン 543.5 824.7
インカム(配当) 340.6 94.5
配当再投資によるキャピタル 541.3 225.6
配当再投資によるインカム 341.9 22.3
トータルリターン 1,767.3 1,167.1

高配当株が成長株を大きくアウトパフォームしています。

これもあくまで理論的なデータに過ぎないものの、こういった側面もあるということですね。

高配当株へ長期投資する理由、メリット・デメリットまとめ

ということでまとめます。

「配当による株主資本の流出、ならびに配当課税によるリターン押し下げという理論的側面を考慮してもなお、配当という定常的なキャッシュフローにより、下落局面での追加購入余資を生み出せ、それが暴落への備えになるというメリットの方が精神的にも物理的にも個人的に大きく感じるから、高配当株を選好している」

となります。

Best wishes to everyone!

高配当株の株数を最大化させることに注力するのも一案です。

不労所得を得るべく高配当株の株数を最大化させる
高配当個別株の買付に邁進 FRBが2015年12月に9年半ぶりに利上げを決定して以来、米国の金利が上昇する利上げ局面が2年以上にわたって続...

高配当株の長期投資は、入金投資とも親和性が高いですよね。

1年で1,000万円増やした入金投資法
金融資産を増やすには、入金投資法が良策 やはり金融資産を増やそうと思えば、「人的資本をフル活用し、人的資本を用いて得た給与収入を出...

個人的には選好しませんが、CFD取引でレバレッジを利かせるという手法もあります。リスクを取って資産を拡大させるアグレッシブな時期には一案です。

米国株でCFD取引・信用取引は個人的にはオススメしづらい
個人的に信用取引を積極的にはオススメできない理由 昨今の良好な相場環境に追い風も受け、色々なご意見があるでしょうが、よほど手練れの...
公開日:2018年8月9日