黄昏時に分泌されるオキシトシンの効能・作用
昼から夜に移る時に、黄昏という特別な時間がありますよね。
人間はこの黄昏時にオキシトシンという「絆の心地よさ」を演出する脳内物質を分泌させます。
オキシトシンは地球上の生き物では、哺乳類だけが分泌させることができます。
哺乳という特殊な育児システムを進化の過程で発達させた生き物だけが備えるものです。
約20年前に、年齢性別に関係なく分泌され得ることが判明したオキシトシンですが、以下のような作用があることが脳科学研究によって明らかになっています。
- ストレス中枢を抑制し、脳からストレスを消す
- 心の脳領域に働きかけて、絆の心地よさを体感させる(別名:愛情ホルモン)
- セロトニン神経に作用し、脳内セロトニン濃度を二次的に増加させる
セロトニンは元気物質・幸福物質とも呼ばれる幸福感をもたらす、人間にとって必要不可欠な物質です。
オキシトシンを分泌させる方法
では、そんなオキシトシンの合成を促すのはどのような因子なのかは以下の通り。
- 自分が心地よいと感じるタッチやスキンシップ
- おしゃべりを含むグルーミング行動
1に関して、「自分が心地よいと感じる」という点が重要です。好きでもない人に触られると不快感や恐怖でしかなく、オキシトシン分泌には至りません。
心を許した人によって「心地よい」タッチがなされると、オキシトシンが分泌されます。
2に関して、グルーミング行動の典型はペットをなでる行為です。人間のグルーミング行動で注目すべきは、「おしゃべり」。
気の置けない友人や家族・恋人と「心地よく」おしゃべりすると、双方の脳からオキシトシン分泌が誘発されることがわかっています。
その結果、ストレス中枢が抑制され、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少することが脳科学の研究で証明されています。
心地よくおしゃべりするだけでストレスを解消できるわけですね。
日本で言えば赤ちょうちんや屋台で一杯飲んだり、欧州ではパブで仕事終わりに一杯飲んだりすることも、まさにグルーミング行動の1つであります。人間が自然に身につけてきた生活術です。
そんなオキシトシンが黄昏時に発生することで、夜の睡眠を演出するメラトニンという睡眠を促す物質の出番がやってきます。人間が自ら備え持つ睡眠薬のような物質です。
昼間に仕事をして脳にストレスが蓄積してくるのが黄昏時です。ストレスが元気物質セロトニンに分泌を減少させ、疲労感が多かれ少なかれ感じる時間、それが黄昏時です。
本来であれば、友人や家族・恋人とのグルーミングによって、脳からストレスを洗い流して、心地よさを味わう時間帯です。
ところが現代サラリーマンは、その時間帯は概ね机のパソコンに向かって仕事をしているわけですから、これでは人間本来の「自然」な生活サイクルではありません。
また、独りでスマホやパソコンなどのデジタルコミュニケーションに留まっているとオキシトシンが分泌されないとされています。
そのため、ストレス中枢が興奮したままベッドに入ることになり、熟睡できない原因となります。
人間本来の生活に戻って黄昏時はグルーミングして、熟睡につながる
とはいえ、スマホやパソコンは現代生活に不可欠であり、優れたツールを使わないわけにはいきません。
結論的には、脳科学的な理想的な黄昏時からのライフスタイルとしては以下の通りとなります。
- 黄昏時にメラトニンが分泌されやすい生活をする(上述のグルーミング行動等)
- 黄昏時から修身まではスマホやパソコンを長時間使用しないアナログ生活
実際、今日は15時半に退社して、太陽の出ている明るいうちからスーパーに夕食の食材を帰り道に買い、夕食を作って食べる。この一連の行動は非常に充足感を感じられ、満足度の高い黄昏時以降を過ごしたと感じます。
これが本来の人間の体内時計に準じた生の営みなんだなあと思いました。
結局人間本来の生活リズムに準じたライフスタイルというのは、直接的に幸福物質であるセロトニンを分泌させ、充足感・幸福感を感じられるようになると常々思います。
Best wishes to everyone!
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