ここで言うセミリタイアの定義とは
まず、ここで言うセミリタイアの定義を明確化しておきます。
「資産所得・収入源を確保し、早期に会社組織から離れ、自分のペースで主体的に低~中頻度の労働や自身が望む生き方をする」
という意味で使っています。
そして完全リタイアではなく、自分の好きなことで収入を得ることやアルバイトなどもセミリタイアとして含まれます。以下原義と同じです。
セミリタイアの原義とは
そもそもの原義は以下の通り。(英英辞典「ロングマン現代英英辞典」より引用)
「someone who is semi-retired continues to work, but not for as many hours as they used to, especially because they are getting older and want time to do other things」
つまり訳しますと、「引続き働きはするけれども、かつてほど長い時間働くのではなく、特に加齢や他のことをする時間が欲しいことに起因」とこういうことになります。
サラリーマンなら一度は考える?セミリタイア
サラリーマンならだれもが一度は考えたことがあるかもしれません。
もし一度たりとも考えたことがない方、その方は稀有というか、サラリーマン向きというか、苦も無くサラリーマンとして過ごせるのであればそれはそれで大変素敵なことですね。
とはいえ、周囲にはサラリーマンという生き方に多少なりとも疑問を持っていたり、お金を稼がないといけない為に続けている方が多いのも事実です。
「そもそもセミリタイアなんて現実的にお金が不足するので無理」と考えている人もいらっしゃいました。果たして本当にそうでしょうか。順を追って述べます。
ちなみに身近なところでは、東大卒で司法試験に合格し、大手法律事務所に入った友人は、私と同様に初日でアーリーリタイアを決意しました。現代は色々な価値観があります。
手前味噌ながら弊方の略歴は、この記事の本旨である「いかにしてセミリタイアを達成するか」という内容に、一定の信用性の担保を付与することになると思います。
色々な生き方があってよいので、セミリタイアをめざしたい人はめざせばよいと思いますし、そうでない人はめざす必要はないですね。いずれにしても価値観次第です。
早期にセミリタイアする確実性の高い方法
そんなセミリタイアを確実に達成するには、どうすればよいでしょうか。以下のような方法論になります。
※以下の方法はあくまで大多数の人がなるサラリーマンを前提にしています。
宝くじや起業などで財を成すのが厳密には最速ですが、それでは再現性が著しく欠ける為、可能な限り再現性の高さにこだわった方法論を示します。
大多数の人にとってお金を稼ぐ手段というのは、企業に属して働くことによる給与収入ですから、副業は除外して、あくまで給与収入を活用することを主眼としています。
セミリタイアまでの手順
↓
2.無理のない範囲で可能な限り可処分所得を増やし、株式・ETF買付にまわす
↓
3.ひたすら2を続ける
シンプルです。
手順①については、就活生や学生など、就職前の人向けです。
手順②~③については、全てのサラリーマンが今すぐにでも実践できることです。
それでは各々の手順について見ていきましょう。
手順①待遇の良い会社に入る
手順①において、どのような企業に入るかによってセミリタイア時期は前後しますが、支出のコントロールさえ行っておけば、サラリーマンの安定した給与収入を活用するという意味で、セミリタイア実現の確実性は高いです。
まず待遇の良い会社に入るには就活を成功させる必要があります。
昨今年収の高い大企業に限って言えば、グローバルな事業領域や国際性と言ったキーワードとの関連性が強い企業が多いですから、学生時代の間に留学して勉強して語学なり国際性なり知見を広めるなり成果をあげるのは一案です。
これ以上は無理というぐらい濃密な留学をすれば、自分の絶大なる自信になります。
就職活動を成功させるためには、以下の記事をご参考に供します。
誤解なきよう申し添えますと、自分が本当に好きでやりがいを感じる仕事に最初から金銭要素を度外視して就くのが一番と思います。
ただし、就活という人生経験が限定的な時期に、自分の本当にやりたいことや本質的に金銭要素を度外視できるかは難しい部分もあります。よって、折衷案としてこの方法論を提示しています。
手順②:可能な限り給与を株式買付にまわす
現状最も再現性が高い方法は、給与の中から出来る限り株式投資にコツコツ毎月まわして複利効果を最大限享受していくことです。
四分の一天引き法(本多静六)
例えば、著書「私の財産告白」を著した本多静六氏は今更紹介する必要のない程、投資家の中では有名な方です。彼は”自ら貧乏を圧倒する”ために「四分の一天引き貯金」を敢行します。
あらゆる定期収入を入ると同時に四分の一を天引きし、貯金する。
そして臨時収入(今で言えばボーナス)を全額貯金する。
貯金=給与収入x1/4+ボーナスx10/10
「相場師」として資産を増やしたのではなく、あくまで再現性の高い、誰もが実践可能な倹約と分散投資で資産を築いたのです。
同氏の資産形成方法を倣う際に、特別な才能はいらないので、誰でも意志さえあれば出来ます。
給与の8割天引き法
明日は給料日。収入の8割をせっせと株式買付にまわす単純な作業。そうして配当収入の綺麗な右肩上がりのグラフが描かれていく。いかに若年期に投下資本を蓄積できるか、もうそれに尽きるんやで。
— 穂高 唯希|Yuiki Hotaka (@FREETONSHA) May 24, 2017
ちなみに私も結果的に勤倹貯蓄(支出の最適化)を旨としており、給与の8割と賞与全額を株式買付にまわしました。私の場合は、社会人になった頃は本多静六氏のことは知りませんでした。
ただ、紆余曲折を経て消費欲がそれほど高くなく、自分の価値観に沿って経済行動を採っていたため、自然と支出の最適化がなされていました。
消費より投資に至った背景は以下記事の通り、為替取引での損失も主因と思います。
資産推移シミュレーション(男性サラリーマン平均年収前提)
それでは以上を踏まえた上で、男性サラリーマンの平均年収を用いた資産推移シミュレーションしてみましょう。
(出所:年収ラボ / 国税庁 平成26年 民間給与実態統計調査結果)
手取り収入 :年収の8割
株式リターン:5%(米国株の過去平均リターンは7%)
月間支出 :10万円

年齢別資産推移
あくまで平均年収ベースですが、年齢別の金融資産額は以下の通りとなりました。
30歳 : 1,684万円
35歳 : 3,502万円
40歳 : 6,075万円
40歳時点で6,000万円を超えています。
たとえ平均年収でも支出コントロール次第でこのような資産水準は達成可能ということです。
40歳時点の6,000万円を用いて、配当利回り3%の株式・ETFを購入すれば、180万円(=月15万円)の配当所得を得られます。
平均年収以上の収入を得ている人であれば、支出のコントロール次第で、30代で6,000万円を貯めることも十二分に可能です。
月15万円の収入が得られれば、1人分の生活費としては十分であり、仮に足りなくても週に2回働くなど選択肢・可能性は大きく広がります。家族構成にもよりますが、セミリタイアは十分可能です。
でも、どんな株式を購入すれば良いの?
とはいえ、「株式と言われても、どんな銘柄を買えば良いのかわからない」という方が多いと思います。

セミリタイアを不労所得で達成する方法まとめ
ということで、セミリタイアまでの手順としては以下の通りでした。
↓
2.無理のない範囲で可能な限り可処分所得を増やし、株式・ETF買付にまわす
↓
3.ひたすら2を続ける
いずれにしましても、人の価値観は様々であり、何が正解で何が不正解でもないですし、お金があるから幸せになれるわけでもなく、セミリタイアしたから幸せになれるとは限りません。
とはいえ、少なくともセミリタイアできる状況にあってサラリーマンをすることと、セミリタイアできない状況でサラリーマンをすることは、見える景色がいささか異なります。
個人的には、やはり投資はしていてよかったと思います。
ご参考になりましたら幸いです。
投資について
支出の最適化について
なんだかんだ金持ち父さんシリーズの本は影響を受けました。20代前半でこの書籍の意味を正しく理解できれば、自然と適切な経済行動を取捨選択できるはずです。
シリーズ全て読まずとも、一冊読めば十分です。(シリーズ通して似た内容が書かれてるので)
コメント
こんにちは。
いつも参考にさせていただいております。
セミリタイアまでの手順、やってみろと言われてもハードルが高すぎな気もします(笑)
みんながみんな、高給な企業に就職できるわけではないですからね…
とはいえ、個人的には共感します。
8割まではいかなくても、許容できる範囲で投資に回すのが得策ですね。
こんにちは。
コメントありがとうございます。
若年時に開始すれば、平均年収でも達成できることを一応示しております。笑(シミュレーションは平均年収を前提としています)
いつ気づくか、そして支出をどう抑えるか、このあたりがポイントになってきそうです。
今後ともお付き合いの程、どうぞよろしくお願い致します。
ウェルスナビって怪しいイメージがありますが、真剣に考えようと思います。マジ貴重な記事、ありがとうございます。
セミリタイアを目指して、資産運用を考えようと思います。
投資を始める場合、頭でわかっていても、
どうしてもビクビクするんですよね。。。