エンブリッジ(ENB)は連続増配23年、高配当6%、カナダの石油・ガス輸送企業

エンブリッジ【ENB】は、高配当を選好する投資家にとって、選択肢の1つになり得る企業と思います。

特筆すべきは、以下2点。

金融危機(2007)・原油暴落(2015)の年も「Adjusted EBITDA」上昇

2014年以降、毎年10%超の増配

背景には後述の通り、「take or pay contracts」という契約がある、と同社からは示されています。

エンブリッジ(ENB)とは、どんな企業か

Enbridge(ENB)は1949年に設立され、上流・中流・下流部門のうち中流部分に特化した、北米最大の中流部門エネルギー企業です。

本拠はカナダ。北米を中心に世界中で石油や天然ガスの貯留・加工・輸配送事業を展開。

エンブリッジは数多のMLPやエネルギーファンドから構成されるコングロマリットであり、
直近2016年には220億ドルでSpectra Energyを買収し、カナダで最大規模の天然ガス供給事業者に。事業領域は中流部門以外にも伸びています。

MLP

MLPとは、米国の法律で規定されたエネルギー・天然資源関連・不動産などの特定事業から所得の90%以上を得る、NYSEなどの証券取引所に上場しているMaster Limited Partnershipの総称。

日本の不動産上場投資信託(REIT)と似ており、収益のほぼ全てを株主に分配するよう規定されており、高配当という特徴があります。

2008年以降、Adjusted EBITDA堅調

しかしこのエンブリッジは20年以上に渡って毎年増配しており、背景にはディフェンシブとされる事業性が挙げられます。

同社が行うパイプライン事業は、資本集約的な性格を有し、複雑な規制に適合することで“take or pay contracts”という石油やガスなどにおける特有の長期売買契約により、契約自体は「原油・天然ガスなどの資源価格に左右されない」という側面があります。

「take or pay contracts」とは
石油やガスなどの長期売買契約において、買主が契約で取り決めた全量を引き取らなかったとしても、 全量に対する対価を売主に支払うことを義務付けた売主有利な契約。

同社の天然ガス供給事業は他の電力会社同様、政府規制により事実上独占的であり、ROI(Return On Investment)は10%近くあります。

ただし、原油価格が暴落した2014年には、MLPを複数組成した投資信託の価額も連れて暴落していたことは記憶に新しいです。

2020年にかけて毎年10%の増配を予定

長期投資家として気になるのは連続増配年数ですが、同社の連続増配年数は23年。

調整後キャッシュフローベースで配当性向は未だ65%程度と増配余力もあり、更に増配率が高いことも大変に魅力的。

2018年の増配率は10%であり、更に同社は今後2020年にかけて毎年増配率10%を計画しています。

現に2019年12月10日に9.8%の増配が発表されました。

債務削減を志向

エンブリッジは高配当な債務が多いことが懸念点です。ただし、2019年3Q時点では、徐々に債務水準(DEBT to EBITDA)を4.6まで減らしており、今後も4.5~5.0に留めることを目途としています。

カナダの配当税率は15%。二重課税で手取りは目減り↓

ただし、エンブリッジに投資する際は、配当の二重課税に留意する必要があります。

下表の通り、米国より更に高い15%が課されるので、米国株より手取り配当金は目減りします。

出所:税理士ドットコム

個人的には15%であれば、将来の増配を考慮に入れればギリギリ許容範囲と言ったところでしょうか。

配当利回り5%の場合、5% * 85% * 80%=3.4%が手取り配当になります。

【ENB】エンブリッジの指標(2018年1月6日時点)

  • 予想PER  24.73
  • 予想ROE  10.18
  • 1株配当   2.086ドル
  • 配当利回り 5.12%
  • 配当月   3・6・9・12月

直近の配当利回りは5.12%と十二分に高配当銘柄と言えます。

後述しますが、2018年3月末時点で配当利回りは6.8%まで高まっています。この指標だけを見れば個人的には十分に買っても良い水準です。

ただし債務が多く、高配当の背景には借入があります。

【ENB】エンブリッジの株価推移(10年間)

過去10年間の株価推移です。

10年間で株価は2倍。なかなかに買いたくなるチャートを見せてくれます。

【ENB】エンブリッジの配当推移(20年間)

過去20年間で配当は約8倍。過去10年間では約4倍。

先述の通り、株価も過去10年で2倍ですから、
長期投資の威力を見せ付けてくれるグラフではないでしょうか。

仮に今後10年間で配当が4倍になれば、Yield on Costは20%というとんでもない数字になります。

さすがにそこまでは行かないでしょうが、夢を見せてくれる右肩上がりのグラフですね。

無類の右肩上がりグラフ好きの私としては、垂涎ものの企業です。

ということで、早速NISA枠で2017年末に40万円分購入しています。
今後が楽しみな企業ですね。

エンブリッジの株価下落の理由は、貿易戦争によるシームレスパイプ高騰懸念

(2018.3.25追記)

エンブリッジの株価は下落の一途をたどっており、配当利回りが7%に迫るほどの下落となっています。

2018年2月初旬から米利上げ観測により高配当株が軒並み軟調な展開だった中、トランプ政権による貿易戦争の懸念が生じ始めていることがその理由です。

パイプラインに用いられるシームレスパイプは日本勢が得意な高機能製品であり、米鉄鋼会社が苦手とする分野です。

その鉄鋼製品に関税がかけられる懸念が生じていることから、輸入に頼るシームレスパイプの輸入価格の上昇要因となります。

政策リスクに引き続き目が離せないですね。個人的には引き続き他の高配当銘柄と天秤にかけながら随時買い増しを行っていきます。

Best wishes to everyone!

石油関連では、以下銘柄も保有しています。

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公開日:2018年1月8日

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