再生可能エネルギー普及で電力会社はなくなるか

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再生可能エネルギーというパラダイムシフト要因

米国の電力会社は公益企業とはいえ、収益力は高く、しっかり数字を出してきます。更に、米国の人口は今後も増えていきますから、安定的に売上の伸びが見込めます。

米国の電力企業に投資する際に、私が最近注目しているのは再生可能エネルギーの動向です。これが世界各国の情報を見ている限り日進月歩でして、既に欧州では風力発電と太陽光発電のコストが建設から運転終了までの全体で見て火力を既に下回っているというとんでもないパラダイムシフトが現実に起きています。デンマークでは再エネ発電が全体の6割にも達します。

もはや再生可能エネルギーは割高でもなんでもなく、欧州においてはコスト競争力を持つということです。その点、日本の経産省(官僚は経産省と呼ばず、メティ/METIと呼ぶ‥)は再エネ普及を推進すべく「再エネ買取制度」を始めたにも関わらず、逆に電力会社やメーカーのコスト意識が希薄になり、買取価格は欧州の2倍前後と高止まりという皮肉な結果に。

ドイツでは蓄電池に再エネの電気を貯めて他者と融通するシステムがあり、既存の電力会社との契約を解約する人も出てきている程です。

世界の潮流は脱炭素・脱火力・再エネシフトへ

世界の潮流として、インドや中国・欧州が化石燃料から再生可能エネルギーへ舵を切っていますから、その大潮流は緩やかにせよ速やかにせよ留まることはないように思えます。

米国はパリ協定離脱を表明したものの、温暖化対策や脱炭素社会に積極的な州や企業はクリーン比率を高めることを既に目指しています。

更に、今後大幅な電力普及を見込むアフリカでは、火力発電より建設が容易な再エネの普及が見込まれています。

この潮流は既に、GE(米)・シーメンス(独)・三菱重工(日)・三菱日立パワーシステムズ(日)などの企業群の業績に受注額の低迷という形で悪影響を及ぼしています。

オフグリッドという動き

日本でもオフグリッドの自家を構築する人もいます。

「わたしたち電力」は、これまで“他人ごと”だった「再生可能エネルギー」を、みんなの“じぶんごと”にするプロジェクトです。エネルギーを減らしたりつくったりすること

この方々の月々の電気代は3,000円。(我が家と同じ

一方でオフグリッド費用を回収するためには60年以上かかるということですから、投下資本回収という点のみに着目すれば、あまり優れた投資ではありません。

つまり、その方々が投資した時点では、オフグリッドの大幅な普及を見込めるコスト競争力は未だなかったと言えます。

とはいえ、この変化は見逃せません。私も将来的にはオフグリッドを実現したいですし、何より電力会社に依存しないのはわくわくすることです。

いずれにせよ今後はエネルギーも、輸送機器や物流同様に地産地消が主流になっていくと考えます。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の近藤氏も「エネルギーは自分で作る時代。地産地消や自家消費が世界の潮流。」と述べています。

とはいえ、国際エネルギー機関(IEA)チーフエコノミスト、ラズロ・バロー氏が指摘する通り「石油・ガスは今後数十年、重要なエネルギーであり続ける」でしょうし、従来型発電の役割がすぐに世界的に消滅することはなく、今後も一定の役割が期待されます。

実際に業界の大変革が起こった際、または起こることが予見されている際は、経営陣も勿論無知ではありませんから、業態の変革を企図するなり関連事業にシフトするなりするでしょう。

ただ私は出来るだけ再生可能エネルギーにも事業を広げているNGG(ナショナルグリッド)などの電力会社に投資するようにしています。

なぜこのような記事を書いたかと言えば、SO(サザン)の株価が48ドル台まで下落しており、配当利回りは4.8%程度といい感じになってきて買付検討しましたが、2030年の自家発電全盛時代というものを想定すると果たして既存の電力会社に対する一抹の不安を感じたのです。

とはいえ、そんな先のことが不透明であることは電力業界だけでなく、色々な業態に言えることではありますから詮無きことなのかもしれません。

そういう意味ではやはり、ヘルスケア・食品というのは20年後も必要である確度が非常に高い業態ですから、多少の配当利回りの低さでありながらも安心を買うということも一案です。

普段いつもキャッシュはほぼ0%に近い状態までフルインベストメントですが、今月はキャッシュ大幅充填により1.5万ドル程の買付余力に高まっており、どの銘柄に投資するか検討中であります。

現時点では以下あたりを検討しています。BPは配当利回りが5.8%もあります。個人的に減配リスクは低いと見ます。

Best wishes to everyone!

再エネと言えば、日本のインフラファンドも検討余地があります。利回りは6~7%見込めるものもあります。私はタカラレーベン・インフラファンド投資法人と日本再生可能エネルギー投資法人を保有しています。

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