中央銀行はなぜ金融緩和・量的緩和を行うのか。その理由とは?

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中央銀行が金融緩和を行う理由

そもそも金融緩和とは、世の中に出回るお金を増やして、消費を喚起して、景気を良くしようという政策ですね。換言すれば、流通貨幣量を増やして、景気を良くしようということです。

まず、中央銀行が金融緩和を行うときはどういうときでしょう?

リーマンショック以降の先進国の中央銀行(FRB・ECB・日銀)を見ればわかるように、リセッション(景気後退)入りした時です。

ではなぜ景気後退期や不況期に金融緩和(利下げ)を行うのでしょう?

それは、「利潤率が利子率より高ければ、企業は事業への投資を始める」というケインズが考案した経済理論が背景にあります。つまり、利子率を下げることで、企業が事業への投資を促して、貨幣の流通量を増やし、景気を良くしようということです。

金融緩和を行う目的はここにあります。

ちなみにこのケインズは、不況期に公共投資を行うことで需要の乗数化が起こり、不況を脱することができるという考えも当時発表し、その考えは各国の経済政策に取り入れられるなど、多大な影響を与えました。

では話を戻して、

なぜ「利潤率が利子率より高ければ、企業は事業への投資を始める」のでしょう?

それは、経営者が銀行にお金を預けるよりも新しく事業を始めた方が儲かる為、経営者はお金を借りてでも新しい事業をしようという気になるからです。

銀行に預ける利子の方が、事業や投資で得られる利益より高ければ、当然誰も事業や投資は行わないですよね。

日本では1999年以降ゼロ金利策を導入し、解除と導入を繰り返し、日本銀行が人為的に金利を下げ続けた結果、ゼロ金利、一部対象資産についてはマイナス金利という状態になっています。

私たちが銀行に預けるお金まではマイナス金利対象にはなっていませんが、預金金利はほぼ0に近く、銀行にお金を預けてもわずかな利子しか得られないという状況ですね。

先日、三菱UFJモルガンスタンレー証券の課長殿と面談する機会がありましたが、現在では銀行預金の証券会社版とも言うべきMRF(マネーリザーブファンド)は、マイナス金利の影響で現状は運用を行っていないという状況だそうです。公社債投信であっても元本割れが起こり得る時代です。

冒頭で、金融緩和とは、貨幣量を増やして、景気を良くしようということだと述べました。

では、今度は貨幣量という観点から見てみます。

そもそも中央銀行はどのようにして貨幣量を制御するのでしょうか?

通常は中央銀行は、翌日に返済するような短期資金を融通しあう市場である短期金融市場と呼ばれる市場で、利子率を誘導することで間接的に制御しています。

例えば中央銀行は金融機関への貸付利率を通じて貨幣量を間接的に制御しています。

中央銀行というのは、「最後の貸し手」とも言われており、金融機関に信用不安が起き、預金者が銀行に殺到してお金を引き出す時などに、金融機関に資金を貸し出す役割も持っています。

銀行は預かったお金を企業等に貸し付けることを通じて信用創造をし、預金額以上に自身の帳簿額が膨らんでいくので、預金者が殺到してお金を引き出す場合に銀行の保有キャッシュが足りなくなるのです。

話を戻して、景気を引き締める際には、利子率を上げることで膨張・過熱した経済活動を抑える効果があります。

この中央銀行の貸付利子率が上昇すれば、借りた金融機関は、返済費用が上昇する為、金融機関は利ザヤを確保する為、貸出利率を上げざるを得なくなります。

そうすると、利ザヤを確保するハードルが上がるので、借入意欲、ひいては貸付意欲が減退します。貸付意欲が減退すれば、信用創造が行われず、同時に貨幣量は増加しにくくなります。

利子率の調整は景気引き締め時には効果があるが、不況期に効果があるとは限らない

ただ、ここで問題になるのは、景気引き締め時とは逆に、不況期に利子率を下げたからと言って、借入意欲が高まり、貨幣量が増加するとは限らないのです。

利子率が下がれば、借入意欲が高まるので、貨幣量が増加する場合もありますが、景気が悪いので、いくら利子率が下がろうとも、事業体が積極的に資金を借り入れて設備投資や株主還元に回すとは限らないのです。(特に日本では)

FRBのイエレン議長も、先日20日の講演では「2008年のリーマンショック以降に踏み切った量的緩和の成果について、米国債などの買い入れによって、長期金利が1%程度下がる効果があり、借り入れコストの低下などで景気を押し上げた」と述べる一方で、景気悪化時には利下げだけでは対応できない可能性を指摘しています。

現在の日本の状況はここにあります。バブル崩壊後の日本は、長くこの状態にあり、利子率が非常に低い水準にもかかわらず、企業の投資はあまり増えてきませんでした。

日銀の金融政策でお金の流れを活発にしようと、非伝統的且つ異例の大規模金融緩和策を行っているにも関わらず、銀行の法人向け貸し出しは大幅に伸びず、設備投資もこの20年で横ばいと、資金需要は低迷したままです。

ここまで金融政策で徹底しているにも関わらず、日本企業は手元資金をため込んでいることもあり、金融政策以外の政策も合わせて実施する必要性が生じています。そのため、内部留保課税という議論に至っているとも言えます。

結局、現在の先進国の低インフレ化は止まらず、それに対する有効な処方箋は見つかっていないということです。経済学はアダム・スミスに代表される古典派経済学が登場して以降、常に現状に対し、処方箋を提供するという形で発展してきましたが、少なくともケインズ政策の公共投資は少なくとも日本においては乗数化が逓減しており、現状有効とは言えません。

とはいえ、やはり地力がある米国経済がいち早く金融緩和から利上げにシフトし、非伝統的な金融政策から抜け出そうとしていることは特筆すべき点です。資金効率も良く、投資にも積極的な米国は、利子率を下げることによる効果が表れやすいとも言えます。

米国の四半期GDPも2~3%台と好調を維持し、IMFも世界経済成長率を先日引き上げました。世界経済の回復と共に、豪州株も5ヶ月ぶり高値を記録するなど世界的に株式市場も上昇しています。

今後の世界経済がどうなるのかは不透明ですが、経済という不思議な対象物を今後とも追い続けていきたいと思います。

Best wishes to everyone!

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