【ワイドモート】給料と参入障壁の関係

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あなたの給料は仕事に対する需給バランスで決まる

マクロ的な視点で言えば、あなたの給料は需要と供給のバランス具合で決まります。

ある対象物やサービスに対する需要が多いのにも関わらず、供給が少なければ価格は相応に高くなりますね。

希少性が高まれば価格支配力を持つ

これは給料にも当てはまることで、ある仕事や業務に対して需要が多いにも関わらず、その仕事や業務が出来る人が少ない、つまり供給が少なければその仕事や業務が出来る人の希少性は高まります。

希少性が高まるということは、価格を主体的に決められるという、いわゆる価格支配力を持つということです。

では、仕事や業務に対する需給バランスはどのようにして決まるのか?

参入障壁が希少性を生む

仕事や業務に対する需給バランスを語る上で1つの重要な側面は参入障壁の高さです。

*もっと言えばワイドモート(wide moat)と呼ばれる他社との差別化が長期で見込める優位性となる”堀”があれば尚良いです。

参入障壁が下がると、給料も下がります。

弁護士と銀行員はその最たる例です。

例①:弁護士

下図は司法試験合格者数の推移です。

出所:日弁連

2000年の司法試験合格者は994人。対して2011年は2,063人と約10年で倍増しています。

下図は弁護士の収入推移です。(平均値・中央値)

弁護士の収入と所得推移
出所:日弁連

その結果、弁護士の収入は右肩下がりとなっています。

実際に弁護士として働く友人によれば、現在は司法試験に合格しても、5大法律事務所に入れなければ大企業サラリーマンと遜色ない給料の人もいて、競争は激化、給料もピンキリと。

合格者数を増やすという方針の下、参入障壁が下がり、その結果、給料が下がるという結果になっています。

例②:銀行員

金融業界にいる銀行員も参入障壁が低くなって給料が下がった職種の1つです。

かつて銀行には、他の民間企業が銀行に参入することができないという高い参入障壁がありました。

しかし自由化が行われ、今や外資系に留まらず住信SBIネット銀行やソニー銀行、イオン銀行にセブン銀行と様々な業界から参入が可能な状態です。

新規参入のネット銀行では、メガバンクより給料を抑えて、その分金利を高く設定して顧客を奪うという戦略を採っているところもあります。

それに対抗するため、既存の行員の給料や待遇がどんどん下がってきたという事実があります。いまでも行員の給料は恵まれている方ですが、例えば自由化前は大変に高い収入を得ていたと。

以前はオジサンたちを高給で飼殺しておけるほど企業にゆとりがあったので、窓際族でも年収2,000万を超えることもよくあったというレベル。

「あの人、Windows2000(年収2,000万円の意)だよね」という会話が女子行員でまことしやかに語られていたという事実。

このように給料は需要と供給で決まり、更に供給量を制約する要因となる参入障壁が高い給料を裏打ちし得るということです。

ちなみに、放送業界も同様にBS放送やCS放送、はたまたインターネット開始前は、今より更に高かったものの、今はどんどん下がっています。

自由競争が給料価格を適正な値に収れんすることを促す

自由競争が行われることで、適正な給与水準に収れんしていくということです。

つまり、たまたまその仕事が厳しい規制で守られていて高い給与水準なのであれば、その規制が撤廃された途端に、給与水準が下がってしまう可能性が高いです。

一方で純粋に社会から求められている技術であったり特殊技能であれば、希少性が高いということですから、その分給与水準は高くなるでしょう。自分の個性や好きなことを伸ばしていかに希少性の高い存在になるかが、今後は大事ということです。

右へならえの日本的な義務教育を是としていては、他の人とは差別化できません。突き抜ける必要があるということです。

私の業界も以前より参入障壁が低くなっています。その結果、差別化が図りにくくなっており、価格競争にさらされ始めている部門が出現しました。

その為、新たに参入障壁の高い分野に投資を積極的に行っているという段階です。

これから就活を始めようという方、転職をしようという方は、参入障壁という観点から企業や業界を選ぶというのも一手です。

Best wishes to everyone!

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公開日:2017年10月12日