HSBCが高配当を維持できそうな理由

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【HSBC】減配リスクが低い理由

結論から言うと、主に以下2つの理由から、現時点では現在の配当還元水準は維持できる見通しということです。

  1. 高収益が見込めるアジアでのプレゼンスが高いため、他行と比べて収益力が高い
  2. 2016年再建プログラムによりコスト削減進行による収益良化

高配当ADRは少数

米国本拠企業以外で、米国本拠企業を上回る配当利回りを示す外国企業ADR(米国預託証券)はそう多くなく、というか少数に限られます。

配当利回りの高いADRとして上場している企業例を挙げてみましょう。

まずはエネルギーセクターの以下2社。

  • ロイヤルダッチシェル / Royal Dutch Shell(RDSB)
  • BP

この2社は配当利回りが6%以上で、米国本拠企業より遥かに高い配当利回りを有します。

もう一例が金融セクターのHSBC。

HSBCは5.9%もの配当利回りを示します。(もちろん配当利回りが投資の全てではありません)

ちなみに他にはスペインのBanco Bilbao Vizcaya Argentaria S.A.(BBVA)も配当利回り5%を上回ります。

このように5%を超える配当利回りを示す国際銀行もある一方で、米国企業のJPモルガンチェース(JPM)やバンクオブアメリカ(BAC)の配当利回りは各々2.3%、1.3%に留まります。

ここではHSBCがなぜ高配当を保てるのかについてご紹介します。

HSBCの事業内容

HSBCは1865年、欧州とアジア間の金融取引を起源としています。現在70か国に3700万人の顧客を抱える金融界の巨人です。

主な事業は以下4つ。

  1. 商業銀行業務
  2. 国際銀行・市場業務
  3. プライベートバンキング
  4. リテールバンキング・富裕層向けポートフォリオ管理

1.商業銀行業務

商業銀行の内容としては、長短期貸付金・小中大企業向けプロジェクトファイナンス等。

2016年末時点でHSBCの貸付残高は2820億㌦に上ります。

2.国際銀行・市場業務

国際銀行・市場業務の内容としては、アドバイザリー、リサーチ、分析、トレーディング、銀行取引

HSBCはロンドンの本拠を置くものの、他行に比べ、アジアで高いプレゼンスを誇ります。

国際銀行・市場業務では欧州とアジアの全体の売上高に占める割合は各々37%、38%。

国際プライベートバンキング業務においても欧州・アジアで同割合は30%、38%とかなりアジア重視と言えます。

2016年のEPS低迷理由

2016年は同社にとって非常に厳しい年でした。2016年EPSは、2015年の0.65ドルを大幅に下回る0.07ドル。

2016年は事業再建真っ只中でしたが、今ではそれは終了、同社は2017年は成長軌道に戻るとアナリストは予想。

2016年に同社の収益の重しとなっていたのは、以下2つ。

  1. 欧州における国際プライベートバンキング業務の32億ドルに上るのれん減損損失
  2. 同社自己債務のクレジットスプレッドの悪化により18億ドルの減収影響

クレジット・スプレッドとは 民間あるいは公共機関は政府よりも信用力が劣るため、債券を発行する際は国債よりも高い利回りをつけなければならない。 このような債券と国債の利回りの格差をクレジット・スプレッド(信用スプレッド)という。 個別の債券の信用力を目に見える形で評価したものが格付け(レーティング)。

減損というのは一時的な損失と言えます。

ちなみに、同社はブラジル事業を売却するも、その影響は、2016年売上と税引き前利益は各々2%と1%の低下に留まる。

これは、同社事業が全体として引き続き良好であることを示唆。

今年は業績復活なるか

同社の2016年再建プログラムにより、HSBCのコスト削減・リスク低減を実現。

例えばコスト削減額は年換算で37億ドルに達しており、2017年末までに60億ドルまで推し進めるとしています。

またリスクの高いブラジル事業の売却は同社経営の健全性を高める見込み。

既にその効果が示現。2017年Q1、同社は18%の収益低下を発表したものの、非経常的損益項目(=一時的要因)を除けば、前年同期比で2%増収、12%増益。

同社再建により、多額の手元資金が積み上がり、2016年には25億ドルの自社株買戻し、Q1で更に10億ドルの自社株買いに活用。

同社は自社株買いだけでなく膨大な配当還元にも積極的。

同社はユニークな配当還元方法を採っており、Q1-Q3に通常配当、Q4に変動額配当を出すという方式です。

格付けは良好

S&P、Moody’s、Fitchによる格付けは各々”A”、”A1”、”AA-“と良好。2015年並の業績を取り戻せば、再びEPS>DPSとなります。

まとめ

高配当利回りの銀行株というのは、低利回りの銀行株と比してリスキーになり得ます。

金融危機がひとたび起これば、HSBCの高配当は危機に瀕しますし、たとえ金融危機が起こらなくても、配当根拠はやはり同社再建進展・業績に依拠します。

とはいえ、現時点でのHSBCの業績は軌道に乗っており、アジア新興国のプレゼンスの高い同社は米銀よりも高収益になる可能性を秘めているということです。

とまぁ長々と書きましたが、来年の業績は神のみぞ知るところですので、四半期毎に業績レポートをざっと見ます。

過度に気にせず、淡々と給与収入を株式買付にまわすだけであります。

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