【JNJ】ジョンソン・エンド・ジョンソン、業績堅調・安定成長の配当王

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【JNJ】ジョンソン・エンド・ジョンソン、業績堅調・安定成長の配当王

世界最大の医薬系コングロマリットである、ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の紹介です。現時点では、安定的な成長が際立ちます。

ジョンソン・エンド・ジョンソンの特徴
  • 株価:1.5倍(2016~2020年)
  • 配当:1.3倍(2016~2020年)
  • 36年連続 営業利益増加(調整後ベース)
  • 59年連続 増配
  • 新製品(過去5年間)が総売上の25%を継続的に占める

  1. EPS・配当・キャッシュフローが右肩上がり
  2. 営業キャッシュフローマージン・営業利益率に安定感
  3. 社債格付け最上位「AAA」(AAA格は同社とマイクロソフトのみ)

【JNJ】基礎データ

ジョンソン・エンド・ジョンソンの基本情報は、下表の通り。

社名(和文) ジョンソン&ジョンソン
社名(英文) Johnson & Johnson
ティッカー JNJ
設立日 1887年11月
本社所在地 米国ニュージャージー州
従業員数 135,100人
セクター ヘルスケア
連続増配年数 59年
配当利回り 2.63%
直近5年平均配当利回り 2.84%
直近3年平均増配率(年率) 6.3%
直近5年平均増配率(年率) 6.1%
配当支払月 3, 6, 9, 12
1株配当 $4.24
1株調整後利益(2021年予想) $9.57
配当性向(調整後EPSベース) 44.0%
PER(調整後EPSベース) 17.1倍
株価 $163.2

(2021年4月28日時点)

JNJの業績が過去安定的に推移してきたことは、連続増配59年、36年連続営業利益増加という実績が示唆します。

36年連続営業利益増加「 2019(Q4)Earnings Presentation

  • 59年連続増配。2021年4月に、5%増配発表。
  • 2000年代は配当性向が30%台、足もと44%。

【JNJ】事業内容

事業内容の特徴としては、以下3点が挙げられます。

事業内容の主な特徴
  1. 世界最大級のヘルスケアカンパニー
  2. 新製品が強い
  3. 消費者に馴染みある製品群

① 世界最大級のヘルスケアカンパニー

JNJは「世界60カ国に250以上のグループ企業を有する世界最大級のヘルスケアカンパニーとして、消費者向け製品、医療機器、医薬品の分野で数万アイテムに上る製品を扱っている」と同社HPで示されており、典型的な多国籍企業。

② 新製品が強い

また、同社HPによれば、新製品(過去5年間に上市した製品)が総売上高に占める割合が、長期間約25%に維持され、研究開発力・マーケティング力の高さもうかがえます。

③ 消費者におなじみの製品群

もう1つ、同社を特徴付けるものとして、バンドエイド(BAND-AID)・アキビュー(ACUVUE)・リステリン(LISTERINE)など、消費者に馴染みの深いブランド製品を保有していることが挙げられます。

一方で、下図の通り消費者向け製品(コンシューマーヘルスケア)より医療機器や医薬品の方が売上高割合が多いのは意外かもしれません。

【JNJ】株価と配当利回り推移

同社の傾向として、以下特徴がみられます。

ジョンソン・エンド・ジョンソンの長期傾向
  1. 着実な株価成長が続く
  2. 着実な配当成長が続く

(2007年4月~2021年4月)

  • 配当利回り:2.3%~3.95%で推移
  • 配当利回りが3.95%に達したのは、2012年6月1日の株価が61.78ドルだった時です。同社の株価が横ばいで低迷していた時期ですね。

過去5年間

下図は、更に過去5年に絞ったものです。

  • 2019年7月以降、ベビーパウダー・オピオイドに関する多額の訴訟がBBCなどでも大きく報道され、株価は調整。
  • 2019年10月には、10,000件を超えるタルク関連訴訟を抱えているさなか、ベビーパウダーからアスベストが検出され、関連訴訟における多額の賠償費用が生じる懸念から再度売り込まれました。
  • コロナショック以降も、配当利回り3%近傍で株価が反発する傾向が続いています。

【JNJ】売上高・営業利益・純利益

JNJの①売上高・②営業利益・③純利益・④営業利益率・⑤営業キャッシュフローマージンを見てみましょう。

  • 2017年は税制改革の特殊要因で会計上の純利益は一時減少。売上高は増加基調。
  • 営業利益率・営業CFマージン共に25~30%と高水準。

【JNJ】キャッシュフロー推移

  • キャッシュフロー増加傾向、営業CFマージンも堅調。

同業他社のアッヴィ【ABBV】やグラクソ・スミスクライン【GSK】とフリーキャッシュフローマージンを比較してみましょう。

  • JNJの安定感が顕著

【JNJ】配当と配当利回り推移

  • 配当は判を押したように、安定的な増配が続きます。
  • 安定的な増配の背景には、自社株買いによる1株あたりの価値向上、安定的なEPS成長・キャッシュフローの伸長があります。つまり、無理のない増配と言えます。

【JNJ】配当落ち日・配当基準日・配当支払い日

配当支払い月は3・6・9・12月の初旬から中旬にかけて。直近では2021年4月、5%増配を発表。

配当落ち日 配当基準日 配当支払日 配当
2021/5/24 2021/5/25 2021/6/8 $1.06
2021/2/22 2021/2/23 2021/3/9 $1.01
2020/11/23 2020/11/24 2020/12/8 $1.01
2020/8/24 2020/8/25 2020/9/8 $1.01
2020/5/22 2020/5/26 2020/6/9 $1.01
2020/2/24 2020/2/25 2020/3/10 $0.95
2019/11/25 2019/11/26 2019/12/10 $0.95
2019/8/26 2019/8/27 2019/9/10 $0.95
2019/5/24 2019/5/28 2019/6/11 $0.95
2019/2/25 2019/2/26 2019/3/12 $0.90
2018/11/26 2018/11/27 2018/12/11 $0.90
2018/8/27 2018/8/28 2018/9/11 $0.90
2018/5/25 2018/5/29 2018/6/12 $0.90
2018/2/26 2018/2/27 2018/3/13 $0.84
2017/11/27 2017/11/28 2017/12/12 $0.84
2017/8/25 2017/8/29 2017/9/12 $0.84
2017/5/25 2017/5/30 2017/6/13 $0.84
2017/2/24 2017/2/28 2017/3/14 $0.80
2016/11/18 2016/11/22 2016/12/6 $0.80
2016/8/19 2016/8/23 2016/9/6 $0.80
2016/5/20 2016/5/24 2016/6/7 $0.80
2016/2/19 2016/2/23 2016/3/8 $0.75
2015/11/20 2015/11/24 2015/12/8 $0.75
2015/8/21 2015/8/25 2015/9/8 $0.75
2015/5/21 2015/5/26 2015/6/9 $0.75
2015/2/20 2015/2/24 2015/3/10 $0.70
2014/11/21 2014/11/25 2014/12/9 $0.70
2014/8/22 2014/8/26 2014/9/9 $0.70
2014/5/22 2014/5/27 2014/6/10 $0.70
2014/2/21 2014/2/25 2014/3/11 $0.66
2013/11/22 2013/11/26 2013/12/10 $0.66
2013/8/23 2013/8/27 2013/9/10 $0.66
2013/5/23 2013/5/28 2013/6/11 $0.66
2013/2/22 2013/2/26 2013/3/12 $0.61

配当性向(FCFベース)

  • 2016年・2017年は借入を増やし、2017年にスイス製薬会社のアクテリオン(Actelion Pharmaceuticals)買収に充当。
  • 2018年からは継続的に債務返済。自社株買いも多め。
  • 2020年は、例年比で自社株買い32億ドルと半減。短長期借入が71億ドル増加。

フリーキャッシュフローベースの配当性向は、以下の通り余裕あり。

2016年:55%

2017年:50%

2018年:51%

2019年:50%

2020年:52%

【JNJ】FCFPS と DPS

  • フリーキャッシュフローが配当支払額を上回る状態が続く

過去の増配率推移

  • 過去の増配率は、約5~8%。
  • 2000年代は増配率が二桁。配当性向は30%台から40%台にやや上昇し、直近増配率は5~6%程度。

【JNJ】トータルリターン vs S&P500

青:JNJ、赤:S&P500(過去20年間)

  • 概ねS&P500を上回る推移

トータルリターン比較(年率)
年率
JNJ 12.7%
S&P500 10.7%

(1991年1月~2021年3月)

下落局面に強い傾向

暴落局面における月次最大下落率は、下表の通りです。

JNJ S&P500
リーマンショック -27.9% -51.0%
コロナショック -11.3% -19.6%

  • いずれの局面でも、JNJは市場平均より底堅さがみられます。
  • 暴落局面で底堅いことは、精神的な負荷も軽く、心地よく投資を続けることにつながりやすいですね。

【JNJ】銘柄分析・株価・配当まとめ

ジョンソン・エンド・ジョンソンの特徴
  • 株価:1.5倍(2016~2020年)
  • 配当:1.3倍(2016~2020年)
  • 36年連続 営業利益増加(調整後ベース)
  • 59年連続 増配
  • 新製品(過去5年間)が総売上の25%を継続的に占める

値上がり益・増配の両方を享受できてきた銘柄です。長期投資のメリットを実感できる銘柄の1つと言えます。

  1. 業績の安定感
  2. 収益力の高さ
  3. 積極的な株主還元
  4. 下落局面での底堅さ

現時点ではこれら特長がみられます。

Best wishes to everyone!

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公開日:2017年3月20日

コメント

  1. ケロヨン より:

    JNJまとめ、
    ありがとうございました!

    投資青二才は
    オピオイド、ベビーパウダーのリコール、
    買いだ!と思いきや
    期待外れに終わりました。
    ひき続き勉強させていただきます!

    新しい景色はいかがですか?