米国株の人気ETF比較
マイポートフォリオにおけるPFFの割合が大きくなってきました。(2017年3月時点)
よって、リスク点検の意味合いも兼ねて、近々保有を検討している他の米国王道ETFであるVTI、VYMとPFFを比較してみたいと思います。
私が魅力を感じるETFは下記3つ。
PFFは議決権がない代わりに配当を多くもらえる優先株で構成されます。
VYMはその名の通り、米国の高配当株式群で構成されます。
VTIはアメリカ株全体に投資するほぼS&P500連動型です。
VYM、VTIの構成銘柄はその気になれば個別株に同様に投資することが可能ですが、PFFの優先株は個別株として各々購入出来ないので、その意味においては貴重なETFと言えます。
上表の用語解説は下記の通りです。
※β値
どれだけ値動きがまったりしているかを表す指標で、値が低い程ボラティリティが少ないことを意味します。
配当利回りが下支えするので高配当であればあるほど変動リスクは低くなる傾向にあり、β値は低くなると見てます。
※信託報酬
ETFを組成・運用している会社に払う手数料みたいなものです。
ちなみに、日本の銀行が販売する投資信託の信託報酬は1.0%を超える全くユーザーフレンドリーでない詐欺まがいのものが跋扈していますので注意です。
各ETFの構成銘柄
【PFF】iシェアーズ米国優先株式ETF
バークレイズ、シティグループ、HSBC、ウェルズファーゴ、ドイツ銀行等々金融系が多いのが特徴です。
【VYM】バンガード米国高配当株式ETF
エクソンモービルや、ジョンソンエンドジョンソン、AT&T、P&G、ファイザー、ベライゾンなど米国の王道高配当株がメインとなっています。
【VTI】バンガード・トータル・ストックマーケットETF
アマゾン等の無配株・グロース株も含まれます。アップルやアルファベット、バークシャーハサウェイ、フェイスブックなど名だたる大企業が構成銘柄上位を占めています。
アメリカ株で何を買えばいいのかわからない方はとりあえずVTIやVYMを買っておけば良いと思います。
PFF vs VYM vs VTI ー 10年間チャート推移
青:PFF 紫:VTI 黄:VYM 赤:NIKKEI
上のグラフの2009年にかけての下落具合を見て頂くとわかるように、ちょっと意外なことに、結局金融危機が起こった際の下落に関してはどれも半値ぐらいになっており、
PFFもVYMもVTIも暴落度合いに大差がないんですよね。(日経平均も)
ただ、債券的性格を持つPFFよりもVYM、VTIの方が株価上昇の恩恵を受けやすいのは確かです。
しかも、債券的性格を持つと言われるPFFですが、金融危機時には債券より断然暴落するので、値動きをマイルドにさせる債券クラスの代替品として投資するのはいささか違うと思います。
各ETFの配当推移
【PFF】iシェアーズ米国優先株式ETF
【VYM】バンガード米国高配当株式ETF
【VTI】バンガード・トータル・ストックマーケットETF
PFFは直近5年間はほぼ横ばい、それ以前と比べて漸減、対してVYM・VTIは着実に増加傾向にあるのが見てとれます。
では、結論
・キャピタルゲインを狙うなら、
VTI>VYM>PFF
・インカムゲインを狙うなら、
PFF>VYM>VTI
ということが言えるのではないでしょうか。
ただ配当を多く出すと言うことは、原理的にはその分株主資本が減る上に税金が発生するということは留意しないといけません。
そして、債券のトータルリターンは株式に劣後し、PFFもVYMやVTIにトータルリターンで劣後します。しかもPFFは上昇相場の場合も横ばい推移であるのに対し、暴落相場の時は下落しない時もあれば、しっかり下落する時もあるのでハイリスクと言えるでしょう。
個人的にVYMが一番好みのETFと言えるかもしれません。
(ただ、2017年においては昨今の株高でここからVYM・VTIはあまり買う気になれません。)
いずれにしましても、金融危機が起こった際はPFFの価格が半減することは覚悟しておく必要があります。なので、SBI証券でも人気ETFの常連であるPFFですが、多分に個人の好みが保有するか否かの分水嶺となるETFと言えそうです。
尚、私のポートフォリオはこちらです。米国・豪州・ベトナム・中国・日本に投資しています。
VYMの配当推移やトータルリターン等の詳細はこちら。
PFFの詳細についてはこちら。
PFFがポートフォリオの比率をそこそこ占めてきていますので、投資妙味のある高配当株が出てくれば、一部偏りを解消すべく少し口数を減らしてそちらへ振替えることも検討しています。
米国増配銘柄である配当貴族群や英国・中国・ベトナムの高配当株を中心に配当再投資戦略については、引き続き行っていきたいと思います。
Best wishes to everyone!